2017 Fiscal Year Annual Research Report
Reaserch on ASEAN Economic Community: Political Economy for Natural Resource Development, Trade of Primary Goods and Maritime Interests
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16H03322
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
林田 秀樹 同志社大学, 人文科学研究所, 准教授 (70268118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 啓良 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (00134635)
厳 善平 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (00248056)
瀧田 修一 東亜大学, 人間科学部, 准教授 (00510033)
和田 喜彦 同志社大学, 経済学部, 教授 (10326514)
西口 清勝 立命館大学, 経済学部, 非常勤講師 (20039465)
上田 曜子 同志社大学, 経済学部, 教授 (20223472)
細川 大輔 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (20411382)
木場 紗綾 同志社大学, 政策学部, 助教 (20599344)
西澤 信善 東亜大学, 人間科学部, 教授 (30164552)
岩佐 和幸 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (40314976)
関 智宏 同志社大学, 商学部, 教授 (40434865)
鷲江 義勝 同志社大学, 法学部, 教授 (50230941)
寺田 貴 同志社大学, 法学部, 教授 (50449352)
加藤 剛 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (60127066)
鈴木 絢女 同志社大学, 法学部, 准教授 (60610227)
日下 渉 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (80536590)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (90372549)
中井 教雄 広島修道大学, 商学部, 准教授 (90610543)
NGOV Penghuy 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院, 特任准教授 (80528167)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ASEAN共同体 / ASEAN経済共同体 / ASEAN政治・安全保障共同体 / 自然資源開発 / 一次産品貿易 / 南シナ海問題 / ASEAN Way / ASEANの中心性 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 各自、調査研究の進捗に応じて学会報告、論文・図書の投稿と執筆、並びにその準備に励んだ。発表された論文は合計10本、関連テーマでの学会報告・招待講演が17件、出版された著書は単著・共著を合せて3冊、その他分析レポートや書評等7点であった。 (2) 本研究は、研究の対象地域が広域にわたり扱うテーマも幅広い。メンバー各自の研究テーマ、したがって上記の研究成果の主題も広範囲にわたる。それらのテーマは、対象地域を基準にとると大きく次の3つのカテゴリーに分けられる。① ASEAN加盟国及び域外主 要国個別の問題、② ASEAN共同体の制度と実態に関連する問題、③ ASEAN加盟国並びにASEAN共同体と域外国との関連の問題の3つである。上記の諸業績も、おおよそこれら3つのカテゴリーのいずれかに分類されるものであり、全体としてみると①~③にわたってバランスよく成果が公表されてきている。 (3) また、ASEAN共同体における「自然資源開発」や「一次産品貿易」、あるいは「(南シナ海における)海洋権益」といった本研究が主要課題と位置づけるテーマでの研究成果も前年度に比して増加している。 (4) 本研究は、研究代表者の所属機関である同志社大学人文科学研究所に設置されている共同研究プロジェクトの一つとして研究活動を展開している。今年度も昨年度に引続き、当該プロジェクト主催のセミナーを計11回開催した。研究報告は、昨年度を2本上回る15本であった。このうちの2回のセミナーでは、フィリピンから1名、ラオスから2名のゲスト講師を迎え、本研究のテーマと密接に関わるテーマで研究報告をしてもらい、それらをめぐって活発に意見を交換した。 (5) 年度末の2018年2月には、翌年度刊行の号に特集を組むために、上記研究所機関誌の『社会科学』にメンバー7名の論考を投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1) 本研究は、「研究実績の概要」欄でも述べた通り、同志社大学人文科学研究所の共同研究プロジェクトの一つとして研究活動を展開しているが、研究の対象地域が広域にわたり扱うテーマも幅広いため組織も大きい。こうした性質に照らし、今年度も昨年度(2016年度)に引続き、可能な限り数多くの当該プロジェクト主催研究会を開催することを目指した。具体的には、長期休暇期間中を除いて、春学期と秋学期にそれぞれ4回ずつ計8回月例で研究会を開催し、調査研究結果を報告し合う計画を立てたが、研究会の開催回数は結果として計画を上回る11回に達し、15名による研究報告を組織することができた。その結果、後述の通り多くの研究実績を上げることができた。 (2) 前年度は同志社大学所属メンバーを中心に研究報告を組織したことを受けて、報告者の比重を学外メンバーに移しつつバランスのとれた研究報告を組織することを目指した。結果として、本研究メンバーによる研究報告9件のうち学外メンバーによる報告は6件で、報告者数の4割を占めた。 (3) 本研究では、前年度に引続き今年度も、適切に外部との研究上の交流・共同を図ることも課題とした。研究会で招いたゲスト講師は6氏であったが、いずれの報告も内部では得難い知見をもたらしてくれた。特に、フィリピンのデ・ラ・サール大学名誉教授W.V.ヴィリャコルタ氏の回は同志社大学南シナ海研究センター(センター長:法学部・浅野亮教授)と共同で開催した。また、8月にはシンガポールにて、メンバー8名が当地の大学等研究機関や企業を訪問して関係者から本研究の課題に関連する聞取りを行った。この試みからは、ASEANワイドに事業展開を展望する金融・情報系先端企業の実態と現地研究者のASEAN共同体観などについて貴重な情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 本研究のメンバーによるASEAN加盟諸国並びにASEAN関連諸機関におけるフィールド調査並びに文献調査を引続き行い、各自が学会報告、もしくは論文・著書の執筆・公刊に向け鋭意準備を進めていく。 (2) 本研究が主体となっている同志社大学人文科学研究所の共同研究プロジェクト主催の研究会を継続して定例開催する。これにより、本研究メンバーによる学会報告・論文執筆等の成果公表を促進する。また、外部からも関連した研究を行っている研究者をゲスト講師として招聘して議論を重ね、研究成果や調査地の情報や意見の交換を活発に行う。 (3) 昨年度以来進めている外部の研究者・研究組織との交流、共同研究を引続き活発に展開する。本研究の研究対象であるASEANとその加盟国には分野を超えて関心を集める事項、解明すべき事項が多く、研究者間・研究組織間の共同の余地も広範に存在する。定例研究会へのゲスト招聘等を契機として他の研究組織との連携・共同の可能性を追求する。 (4) 研究成果の社会還元=アウトリーチを進める。本研究の対象地域は広く掲げるテーマも幅広いが、特定の共通テーマの下に数名のメンバーによる講演と討論を組織できるよう企画・検討を行う。アウトリーチの実施の場としては、同志社大学人文科学研究所が毎年 度4回程度実施している公開講演会を想定している。 (5) 「研究実績の概要」欄で触れた通り、2018年2月に同志社大学人文科学研究所機関誌『社会科学』に7名のメンバーが論考を投稿した。これに引続き、本研究のメンバーがコンスタントに同誌並びに他の学会誌・学術誌に論文を投稿・公表するよう準備を進める。また、それらの成果をいずれ1冊の共同著作にまとめ本研究の最終成果として交換するために、当該著作の構成等について検討し、出版社の目処をつけるなど諸準備を進める。
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