2017 Fiscal Year Annual Research Report
哲学分野における男女共同参画と若手研究者育成に関する理論・実践的研究
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16H03338
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
和泉 ちえ 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (70301091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 一郎 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00230061)
飯田 隆 日本大学, 文理学部, 教授 (10117327)
小手川 正二郎 國學院大學, 文学部, 准教授 (30728142)
秋葉 剛史 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (30756276)
河野 哲也 立教大学, 文学部, 教授 (60384715)
池田 喬 明治大学, 文学部, 専任准教授 (70588839)
鈴木 伸国 上智大学, 文学部, 准教授 (70612084)
村上 祐子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (80435502)
大河内 泰樹 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (80513374)
加藤 泰史 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (90183780)
小島 優子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (90748576)
吉原 雅子 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (90323865)
佐藤 靜 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (80758574)
笠木 雅史 名古屋大学, 教養教育院, 特任准教授 (60713576)
菅原 裕輝 大阪大学, COデザインセンター, 特任助教(常勤) (90768590)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 哲学 / 男女共同参画 / 若手研究者支援 / グッド プラクティス / ジェンダー平等 / ハラスメント / 日本哲学会 / 英国哲学会 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.男女共同参画推進および若手研究者支援に関して先駆的取り組みを展開している英国哲学会理事のJoe Morrison博士を日本に招聘し,第76回日本哲学会大会ワークショップ「どう変わる!日本哲学会」(2017年5月21日,於・一橋大学)において啓発的な講演と率直な議論を重ねる機会を企画実践した。またMorrison博士によるレクチャーは,千葉大学,東北大学,京都大学においても開催され,幅広い層の研究者たちと共に議論を深めることができた。特に男女共同参画を確実に実践するために英国哲学会が策定した「Good Practice Scheme」について哲学的視点に基づく論拠をMorrison博士を交えて再検討する機会を得たことは有意義であった。日本の哲学分野における男女共同参画および若手研究者支援に関して,今後も英国哲学会と緊密に連絡を取り合いながら積極的に推進する方針が確認された。2.哲学分野で活動する若手研究者を対象に実施した大規模アンケート結果を分析・公表すると共に,諸方策について提言をとりまとめた。3.日本学術会議総合ジェンダー分科会と協力しながら,日本哲学会大会の時機に合わせた人文・社会科学系学協会男女共同推進連絡会の正式発足会合に向けて実質的な貢献を積み重ねた。また日本学術会議公開シンポジウムにおいても哲学分野における男女共同参画推進・若手研究者支援の取り組みについて報告と提案を行った。4.国際会議「ジェンダー研究と哲学史」(於・一橋大学)を共催開催した。5.若手研究者を対象にした査読論文指導ワークショップを開催した(於・立教大学)。6.日本全国の諸大学における哲学分野の専任教員ポストに関して調査を行った。7.日本哲学会の機関誌『哲学』第69号特別企画「ハラスメントとは何か?ー哲学・倫理学からのアプローチ」を取りまとめ諸論点を提起した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を有効に推進するために編成された理論班,調査班,実践班それぞれ相互の協力体制が良好に機能しており,本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
1.理論班においては,引き続き「平等概念」や「ジェンダー平等推進」そして「若手研究者育成」に関する哲学的考察を深化させると共に定期的に研究会を開催し検討を重ねる。また哲学分野において従来個別的に活動してきた地方諸学会との連携体制を構築し,地域や学閥に束縛されない研究者相互の意見交換が忌憚なく可能なシンポジウムやワークショップを立案実施する。2.調査班においては,これまで複数回実施した大規模アンケート結果を踏まえ,また海外の関連諸学会(特に英国哲学会)が提示する指針や取り組みの内実を調査分析しながら,最終的に我が国における哲学分野において男女共同参画推進や若手研究者支援の進展に資する具体的かつ実効的な最終的提言を取りまとめると共に,特に高等教育課程における哲学分野専任ポストの意義と役割について説得的なヴィジョンを構築する。3. 実践班においては,若手研究者育成に有益な各種ワークショップを開催すると共に,大学における研究職以外の活躍の場を視野に入れた哲学分野ならではのキャリアパスの開拓に関して,他分野の研究者や官公庁ならびに一般企業の協力を得ながら具体的な道筋を提案する。4. 本研究成果を総括し持続的な活動を有効に支える具体的体制の提案と基本理念を広く共有するために,今年度末に国際学会を実施する。5. 理論班・調査班・実践班相互の諸成果を総合的見地から取りまとめ,ブックレットを作成する。6. 男女共同参画推進や若手研究者支援において先駆的取り組みを展開している英国哲学会との協力体制を一層充実させる。
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Research Products
(61 results)