2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H03339
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊原 哲也 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (20205727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 ユミ 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (00257271)
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50288065)
山本 則子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90280924)
村上 靖彦 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (30328679)
野間 俊一 京都大学, 医学研究科, 講師 (40314190)
孫 大輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (40637039)
和田 渡 阪南大学, 経済学部, 教授 (80210988)
福田 俊子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 准教授 (20257059)
西村 高宏 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00423161)
近田 真美子 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (00453283)
小林 道太郎 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (30541180)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医療現象学 / 医療コミュニケーション / 訪問看護 / ソーシャルワーク / ACT / 哲学的対話実践 / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護ケアを中心とした領域で注目を集めている「現象学的研究」を、医師による治療も含めた「医療」活動にまで拡大し、「医療現象学」を新たに構築することを目指して開始された。 メンバーの個別研究としては、榊原は看護実践、看護教育、看護研究における現象学の位置づけを明らかにするともに、研究全体を統括した。西村ユミは、意識障害患者とその家族の現状及び患者会の活動について、文献や当事者の体験談をもとに把握した。守田は、腎不全により腹膜透析導入に至った患者の経験について、60代男性の事例を分析し研究会で報告した。山本は、看護実践者と共同で事例研究を行い、事例研究方法のセミナーを開催して効果的な指導方法をまとめた。村上は、訪問看護師などへのインタビューと、虐待に関わる母親のグループプログラムでのフィールドワークを継続した。野間は、摂食障害患者の施設利用体験についての現象学的研究のために、患者数名にインタビューを行った。孫は、医療者と患者間の医療コミュニケーションをめぐる諸課題を探るべく、対話の実践と分析を進めた。和田は、治療を受ける患者の不安や苦しみ、医療者との齟齬の経験を明らかにすることに努めた。福田は、ソーシャルワーカーの自己生成における変容の契機の構造を、現象学的な知見を用いて分析した。西村高宏は、医療現場で「哲学的な対話実践」を行うとともに、「哲学プラクティス」という切り口からそれらを批判的に検討した。近田は、ACTで働く看護師へのインタビューならびにデータ分析作業ををすすめた。小林は看護師へのインタビューの分析から、ケアやコミュニケーションに含まれる現象学的成素を論じた。 共同での「医療現象学」研究会は3回行われ、研究メンバー5名の発表に加え、連携研究者の杉林稔氏に我が国の精神科医療の歴史的展開の中で自らが精神科医となったその成り立ちを講演いただき、極めて有意義であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個別の研究は、研究の概要に記したとおり、順調に進展しており、共同での研究会も、都合3回開かれ、順調に遂行されていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、個別の研究をさらに進めるとともに、共同での研究会を4回開催して、さらに共同研究の内実を深める予定である。
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Research Products
(52 results)