2016 Fiscal Year Annual Research Report
Approaching Meiji Japan from the Perspective of a Comparative History of Civilizations: Rethinking its Legacy
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16H03469
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
瀧井 一博 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (80273514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 健晴 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (00336504)
勝部 眞人 広島大学, 文学研究科, 教授 (10136012)
植村 和秀 京都産業大学, 法学部, 教授 (10247778)
永井 史男 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (10281106)
谷川 穣 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10362401)
前田 勉 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30209382)
國分 典子 名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 教授 (40259312)
五百籏頭 薫 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40282537)
小川原 正道 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (40352637)
松田 宏一郎 立教大学, 法学部, 教授 (50222302)
島田 幸典 京都大学, 公共政策大学院, 教授 (50324596)
佐野 真由子 国際日本文化研究センター, 海外研究交流室, 准教授 (50410519)
塩出 浩之 琉球大学, 法文学部, 教授 (50444906)
福岡 万里子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50740651)
中村 尚史 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60262086)
牛村 圭 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60287901)
今野 元 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (60444949)
山田 央子 青山学院大学, 法学部, 教授 (70244407)
清水 唯一朗 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (70361673)
岩谷 十郎 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (90211763)
奈良岡 聰智 京都大学, 法学研究科, 教授 (90378505)
Breen John 国際日本文化研究センター, 海外研究交流室, 教授 (90531062)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 明治 / 明治維新 / 近代化 |
Outline of Annual Research Achievements |
明治150年に合わせて、様々な記念事業の開催が予想される。本研究では、明治期の日本を単に顕彰的に回顧するのではなく、その歴史的意義を世界史的視座から検証することを念頭に置き、歴史学、政治学、経済学、法学、芸術学といった学際的アプローチで討究する。現在、明治における日本の近代化の成功とそれを導いた人々への懐旧の念が強く、その再現を志向する論調が一部で見受けられる。他方で、明治時代とその前代の江戸時代を単純に二項対立で断絶的に捉え、後者への郷愁を高唱するマスコミの議論もある。以上のような見解は、ともに明治日本を単に一国史的にのみ捉えた内向的な史観の現れという共通性をもっている。これに対して本研究では、どのような国内的国外的環境や条件があの時代に前提として存在していたのかを再検証し、そのうえで当時の日本がいかなる影響を他の国々に及ぼしていったかの解明という対外的な視点を加えて明治日本にアプローチする。そのような問題関心に立脚して、2016年度は計5回の共同研究会を開催した。取り上げられたテーマは、以下のようなものである。明治期における江戸浮世絵文化規制の一断面、明治憲法史の今日的展開、近代日本政治思想史におけるドイツ思想の影響、明治期における日中知識人の交流史、明治期芸能史の政治的含意、明治期における皇族制度、幕末政治思想の東アジア的展開、明治期仏教史の課題、日露戦争政治過程の再検討、昭和維新の明治維新観、吉野作造の明治文化研究、世界史的文脈における明治維新、明治期の反近代思想、明治期農村秩序の比較史、明治期日本人とオスマン・トルコ、日中親族構造を通じての比較近代化論。 このように多角的な観点から明治日本の様々な事象に論究することができた。本年度は、特に江戸時代との思想的連続性と断絶性について理解を深められたことが大きな成果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究会を計画通りに遂行することができた。本研究プロジェクトの趣旨に賛同するゲストスピーカーも多数招聘することができ、また昨年12月にはやはり明治を対象とする国際シンポジウムにジョイント参加して研究交流を深めることができ、明治史研究の広がりと深化について認識を深めた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も引き続き昨年度と同じ頻度で研究会を開催する。すでに、音楽療法の史的展開を通じて見た明治期音楽文化の成立と変容、ポツダム宣言と国体論、明治期森林行政を通じての中央地方関係の再検討、明治期風俗史の新しい観点、明治期国際法史のなかの文明概念、明治期における宗教概念の成立、明治期における日中外交官の交流史、といったテーマが予定されている。また、来年度にグローバル・ヒストリーのなかの明治日本を対象とする国際シンポジウムの開催を検討しており、その可能性について、ハイデルベルク大学(ドイツ連邦共和国)のハラルド・フース教授、ウェイクフォレスト大学(アメリカ合衆国)のロバート・ヘリヤー准教授と協議を行う。
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Research Products
(14 results)