2017 Fiscal Year Annual Research Report
Hybridity and Border-Crossing in Producing and Circulating Films in 20th Century Southeast Asia
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16H03489
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 博之 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80334308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 芳実 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (30431779)
篠崎 香織 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (90573486)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 東南アジア / 映画 / 物語文化圏 / 越境 / 混血 |
Outline of Annual Research Achievements |
東南アジアにおける物語文化圏に関連して、文献調査と関係者への聞き取りにより、20世紀前半のシンガポール/マラヤにおいて、①どのような出身と経歴を持つ人により、②どのような映画が作られ、③人々はどのような映画を見ていたかを調査した。③に関して、当時の新聞資料により、前年度に引き続き、シンガポールで1か月分、マレーシアで12か月分についてのデータを作成した。①および②については、シンガポール/マラヤの映画制作に関わったインドネシア人およびフィリピン人の映画人について整理し、それらのうちインドネシア人の映画人についてインドネシアで関係者に聞き取り調査を行い、情報を収集した。 また、大陸部東南アジアにかけての物語文化圏に関連して、研究協力者である橋本彩(ラオス研究)、岡田知子(カンボジア研究)、平松秀樹(タイ研究)の協力により、ラオス、カンボジア、タイに共通して見られる民話「12人姉妹」を対象に、国ごとに物語の内容やメディアが異なっている様子を調査した。2018年3月にカンボジア、ラオス、タイを巡回するセミナー・ワークショップと行い、現地の研究者および映画制作者と情報共有・意見交換を行った。カンボアジアとタイの「12人姉妹」の映画をそれぞれ上映し、内容を比較検討した。タイ版「12人姉妹」は日本で映画制作を学んだタイ人監督による作品で、この作品の制作背景に20世紀半ばのアジアの国際関係の影響があるなどの議論がなされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度利用可能な資料が増えたことから調査の対象をシンガポールに絞った結果として、今年度は当初の計画と目標に照らしておおむね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究となる各都市における映画公開状況の調査を継続する。対象都市をシンガポールに絞った上で、扱う時期を1950年から1965年までとし、その期間内で本研究プロジェクトの統合をはかる。
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