2016 Fiscal Year Annual Research Report
Historical and Ethnographical Studies on the Old Believers in Russia and overseas
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16H03496
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中澤 敦夫 富山大学, 人文学部, 教授 (90242388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀上 菜穂 中央大学, 総合政策学部, 教授 (10346140)
三浦 清美 電気通信大学, 情報理工学域, 教授 (20272750)
豊川 浩一 明治大学, 文学部, 専任教授 (30172208)
高橋 沙奈美 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 助教 (50724465)
福嶋 千穂 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 講師 (50735850)
宮崎 衣澄 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70369966)
下斗米 伸夫 法政大学, 法学部, 教授 (80112986)
望月 哲男 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 名誉教授 (90166330)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ロシア古儀式派 / ロシア正教会 / 教会史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年5月28日(土)に北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターにて「第5回古儀式派研究会研究集会」を開催して研究構成員の大半が参加した。塚田力、豊川浩一、C・タラネツ(海外研究協力者)が研究発表を行い、年度の方針について検討した。 共同研究調査としては、2016年8月31日~9月9日に旧満洲調査旅行(ハルビン、ジャムスなど)を行い、伊賀上菜穂、三浦清美、阪本秀昭、塚田力、生田美智子が参加した。満州における古儀式派教徒の元の居住地を探索するとともに、日本人とロシア人、中国人の交流・接触の後を訪ねた。これまで数度の調査を重ねる中で、現地中国の変貌ぶりが激しいことを確認した。古儀式派教徒を含むロシア人や日本人との交流や接触がどのような形で現地で記憶されているかを見聞・調査し、多くの成果があった。 個別研究調査としては、中澤敦夫は16年9月に、また宮崎衣澄は17年3月に、それぞれモスクワを訪問し、古儀式派教会の調査を行い、聖職者、協会関係者、信徒たちから聞き取りを行った。下斗米伸夫が17年3月にロシアのイワノボに滞在し、古儀式派とソビエトの関係、スターリン時代の労働紛争と古儀式派の関係についての史料調査を行った。豊川浩一は17年3月にモスクワのロシア古法文書館での手稿史料調査、および国立図書館・歴史図書館での文献資料調査を行なった。望月哲男は16年6月にグラナダ大学(スペイン)で、『カラマーゾフの兄弟』に現れる教会裁判論に関する研究発表を行った。伊賀上菜穂は17年3月にハバロフスク地方国立文書館で旧満洲白系露人事務局資料を調査した。 『古儀式派史概説』(仮題)の共同執筆については、16年5月の研究集会で、分担と内容を確認し、各自が執筆に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
毎年開催している、研究の発表、総括、計画の場である「古儀式派研究会研究集会」は着実に行われており、平成29年度の準備も進んでいる。共同研究の構成員は、研究集会をひとつのメドにしながら、各自の研究課題を遂行している。その成果は、20点を超える著書、論文、学会報告などで公表されている。 共同研究の中心である平成28年度の旧満洲の共同調査について、現在調査報告書を作成中であり、平成29年度中に出版される雑誌『セーヴェル」第33号で発表する予定。 『古儀式派史概説』(仮題)の編集作業については、中澤敦夫と阪本秀昭が編集責任者として中心となって作業を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、5月27日・28日に富山大学にて「第6回古儀式派研究会研究集会」を開催する予定であり、すでに準備は進んでいる。集会では、平成28年度の研究調査報告を行うと同時に、海外の参加者(6名を予定、うち2名は招へい研究者)を含め研究発表を行う。さらに、この集会において、平成29年度の共同研究の予定について、より具体的な計画を立案する。また、6月2日にも大阪大学で、海外研究者による研究発表・講演会を行う。 研究調査の当面の予定としては、17年8月30日~9月8日に、阪本秀昭をはじめ「東アジア地域グループ」が、オーストラリアのシドニーとメルボルンへの調査旅行を行う。各地の古儀式派教会や関連の出版機関、古儀式派教徒個人宅を訪問して、オーストラリアに渡った古儀式派教徒の現在の生活と信仰について調査する予定。 さらに、「ヨーロッパ境界地域グループ」「文化史研究グループ」のメンバーが10月にラトビアで予定されている古儀式派関係国際学会に参加する予定。 『古儀式派史概説』(仮題)の共同執筆については、寄せられた原稿をまとめて検討し、編集する段階に入る。これについては、中澤敦夫と阪本秀昭が編集責任者として作業を行う。
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Research Products
(12 results)