2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16H03530
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島薗 洋介 大阪大学, グローバルイニシアティブセンター, 講師 (40621157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 淳子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00368739)
西 真如 京都大学, グローバル生存学大学院連携ユニット, 特定准教授 (10444473)
浜田 明範 関西大学, 社会学部, 准教授 (30707253)
松嶋 健 広島大学, 社会科学研究科, 准教授 (40580882)
モハーチ ゲルゲイ 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (90587627)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医薬化 / 薬剤 / 医療人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医薬化に伴い、人間の生がどのように変容しつつあるかを民族誌的事例研究にもとづきながら検討することである。 一昨年度に本研究の一部として企画し投稿した学術雑誌特集「薬剤の人類学―医薬化する世界の民族誌」が、『文化人類学』第81巻第4号で出版された。特集では、研究代表者である島薗、研究分担者である西、浜田、モハーチ、研究協力者である牛山が執筆した論文が掲載された。 また、プロジェクト参加者による個人研究を進めるとともに、2月と3月に二度の国際ワークショップを行い、研究成果を公表した。 2月に行ったワークショップ(Vital experiments: Living (and dying) with pharmaceuticals after the human)では、アメリカ、台湾および国内から招聘した3名の研究者と、モハーチ、西、浜田ともに研究発表を行い、医薬化にともなう生の変容を「実験」に着目しつつガーナにおける陣痛促進剤とイベルクチン、エチオピアにおける抗HIV薬などの事例を検討した。 3月に行ったワークショップ(Pharmaceutical becomings: Emergent forms of subjectivity and sociality amidst pharmaceutical transformation) では、フィリピンからの研究者を招聘し、島薗、飯田、牛山を加えた4名が研究発表を行った。フィリピンにおける成長促進剤と免疫抑制剤、日本におけるアトピー性皮膚炎に対するステロイド薬や緩和治療におけるモルヒネなどの事例をつうじて、薬剤の使用が、どのように新たな主体性や関係性を生み出しているのかを比較検討した。 それぞれのワークショップでは、それぞれの研究発表や薬剤や生の医薬化にかんする人類学の現状にかんする討議を行った。こうしたワークショップの成果は、本年度に行われるIUAESの分科会発表(7月)および英文学術雑誌での特集の企画、論文の投稿で生かされる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一昨年度は、開催する予定だった国際ワークショップを開催できずに、予算を繰越した。昨年度には当初の予定通り計3名の海外研究者招聘をし、二度の国際ワークショップを開催することができた。学会誌での特集による成果公表も含めて、本プロジェクトによる活動はおおむね研究計画どおりに進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまでの研究参加者が行ってきた個人研究や、学会誌の特集および国際ワークショップによる成果を踏まえて、ブラジルにて開催される国際学会International Union of Anthropological and Ethnological Sciencesの分科会発表(7月)で研究参加者が発表を行う。そこでの討議にもとづいて英文学術雑誌での特集企画、論文の投稿を行う予定である。これらのための準備会合を適宜開催する。
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Research Products
(18 results)