2016 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本における死者儀礼のゆくえ-生者と死者の共同性の構築をめざして
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16H03534
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
山田 慎也 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90311133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朽木 量 千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (10383374)
土居 浩 ものつくり大学, 技能工芸学部, 准教授 (20337687)
谷川 章雄 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (40163620)
村上 興匡 大正大学, 文学部, 教授 (40292742)
瓜生 大輔 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科, 特任助教 (40635562)
鈴木 岩弓 東北大学, 文学研究科, 教授 (50154521)
小谷 みどり 身延山大学, 仏教学部, その他 (50633294)
森 謙二 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (90113282)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 家族墓 / 告別式 / 位牌 / 墓 / 血縁 / 葬儀 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、国立歴史民俗博物館が所蔵している表現文化社旧蔵の葬儀写真の整理を行い、写真ポジフィルムのデジタル化の仕様について検討した。そして1991年から1996年までの葬儀写真、34900余枚のデジタル化を進めた。これは仕様の検討と事務効率化によって当初予定枚数よりも倍以上の量を進めることができた。今後、権利関係を調整して利用の範囲を定める予定である。さらに貧困者や無縁者を対象としていた送骨が、合葬式共同墓や納骨堂の普及とともにそれ以外にも広がりを持っていることが判明し、簡易な葬送の形態として行われていることがわかった。 また大阪市営霊園について調査を行った。大阪市設泉南メモリアルパークは、大阪市内の市営墓地がほぼ満杯となったため、1979年に大阪府南部、現在の阪南市に設置され、家族墓を基本として開発されたが、家族墓の廃止や未使用のまま返還されたりと、従来の家族墓が維持できないケースが増えていることが明らかになった。さらに瓜破霊園の合葬式共同墓の調査も行い、家族墓からの改葬が進んでいることも明らかになった。こうして家族墓の現代の動向から家族墓が負担になり、廃止する傾向が判明した。 近世から近代の墓制調査では、狛江市泉龍寺の墓石調査とともに、位牌の調査を開始することとなった。従来墓石や過去帳と連動した位牌調査は初めてのことであり、位牌の形態からある程度の階層性があることが判明した。このほか、研究会において関連の研究者による研究発表が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
死者儀礼の変遷を把握するための葬儀写真のデジタル化も進み、また納骨堂や家族墓の調査も進んでいる。また従来行われてこなかった、墓石と過去帳、位牌調査の連動調査も進んでおり、おおむね計画が進んでいると把握している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、葬儀写真のデジタル化をより進めていきたい。また当初寄贈された写真に関連する写真がさらに発見された。これは当初の写真のデータを補充するものであるので、整理を進めていく予定である。家族墓の変化の調査や位牌調査を進めるだけでなく、研究成果を一般に公開するためのシンポジウムを開催する予定である。
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Research Products
(11 results)