2017 Fiscal Year Annual Research Report
トランスナショナル・ローの法理論―多元的法とガバナンス
Project/Area Number |
16H03539
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
浅野 有紀 同志社大学, 司法研究科, 教授 (70272937)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横溝 大 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00293332)
松中 学 名古屋大学, 法学研究科, 准教授 (20518039)
田村 哲樹 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (30313985)
清水 真希子 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (50302641)
長谷川 晃 北海道大学, 法学研究科, 教授 (90164813)
藤谷 武史 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 助教授 (90313056)
原田 大樹 京都大学, 法学研究科, 教授 (90404029)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | トランスナショナル・ロー / グローバル・ガバナンス / 法多元主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目に当たる本年度は、トランスナショナルローを巡る法的・政治的問題についての理論研究をさらに進めると共に、組織規範動態WGと国際金融規制WGにおいて、実証研究に向けた本格的検討を開始した。 先ず、理論研究については、3回の全体研究会を開催し(2017年7月、8月、及び、2018年2月)、共同研究者や国内の他の研究者による報告を基に意見交換を行い、知見を深めた。具体的に扱ったテーマは、「トランスナショナル・ローと法哲学の課題――多様な正統性と機能主義的考察」、「グローバルな土地収奪のトランスナショナル・ローの観点からの研究」、「解釈主義的法理論とトランスナショナル・ロー」、「立法過程と政治学の応用」、「批判法学から法多元主義、法多元主義から批判法学へ-無意識的な『法の帝国』化について」、「グローバル・ガバナンスと民主主義-方法論的国家主義を超えて」である。 また、実証研究については、組織規範動態WGが2回の会合を(2017年9月、12月)、国際金融規制WGが1回の会合を(2018年3月)開催し、実証研究を進める際のテーマの選定や方法について検討を重ねた。 その上で、各研究分担者が、3年目以降にさらに理論又は実証研究を進展させるべく、その基礎となる論稿を中間的成果として日本語・英語で執筆・公表した。具体的には、'Self-regulations and Constitutional Law in Japan as Seen From the Perspective of Legal Pluralism'、「法多元主義の下での抵触法」、「グローバル・ガバナンスと民主主義」、「グローバル化と行政法の変容」、「ソフトロー」、「コーポレートガバナンスと政治」、「グローバル資本規制」等である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、理論研究と実証研究との2つの柱から成り立っている。 理論研究については、組織が専攻・方法論において極めて多様な研究者からなることに鑑み、研究期間の前半は、問題意識や理論枠組みの共有を図ることを重視している。本年度は、3回の全体研究会を通じて、法哲学、政治学、会社法、そして新たな法学方法論としてのトランスナショナル・ローという様々な観点から本研究課題に関する知見を得ることが出来、研究分担者の間で問題意識や理論枠組みの共有が大きく進んだ。 また、実証研究については、組織規範動態WG及び国際金融規制WGにおいて実証研究を開始することが本年度の目標であった。研究開始に際し、如何なるテーマを選定するか、また、どのような方法論を採用するのかを慎重に検討する必要がある。この点についても、各WGで会合を重ねることにより、先行研究の分析を通じて問題の所在を明確にした上、基本的方向を定めることが出来、次年度以降の研究のための基盤を築くことが出来た。 さらに、これまでの研究成果を踏まえ、各研究分担者が夫々の観点から、本研究課題に関する論稿を中間成果として執筆・公表した。 このように、本研究課題は順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、理論研究については、これまでの研究成果を踏まえ、学会・研究会での報告や論文執筆により研究成果を発信し、他の研究者からフィードバックを得ること、また、実証研究については、具体的テーマについて本格的検討を進めること、が目指される。 先ず、理論研究については、11月に開催される日本法哲学会での「法多元主義」をテーマとしたシンポジウムにおいて、研究代表者や数名の研究分担者が本研究課題に関するテーマで報告を行い意見交換をすることが、本年度の中心的活動となる。また、全体研究会においても、国際法・社会福祉学・国際私法を始め様々な法分野の研究者による報告に基づき意見交換を行うことで、さらに理論研究を深める。 また、実証研究については、トランスナショナルな規範形成過程を解明すべく、具体的テーマに基づき本格的検討を進めて行く。 これらの成果を踏まえ、最終年度に国際シンポジウムを開催し、内外の研究者との意見交換を行う予定である。 尚、理論研究及び実証研究において、研究に厚みを持たせるため、本年度、法哲学者と抵触法(国際私法)研究者を各1名ずつ研究分担者として追加した。
|
Research Products
(38 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 政治学2017
Author(s)
新川敏光・大西裕・大矢根聡・田村哲樹
Total Pages
315
Publisher
有斐閣
ISBN
978-4641149229