2018 Fiscal Year Annual Research Report
General Equilibrium Analysis of Multi-layer Transportation and Information Networks
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16H03610
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
岡本 亮介 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (60323945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 誠 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (50722542)
細江 宣裕 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (60313483)
吉田 雄一朗 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (70339919)
城所 幸弘 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90283811)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 空間経済学 / 都市経済学 / 交通政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は5本の査読論文と3回の学会報告を行った。本科研プロジェクトは、4つのカテゴリーから構成されている。すなわち、(1)交通と産業立地の相互作用の理論的研究、および、集積の経済および労働者技能形成過程の解明と計測、(2)交通の費用便益分析における部分均衡モデルと一般均衡モデルの比較、(3)静脈ネットワークにおけるリサイクル拠点の役割、(4)中央・地方政府間関係を考慮した租税競争の分析であり、それぞれの分野で積極的に研究を進展させてきた。たとえば、交通関係の分野では、近年、事業活動が活発になっているいわゆる低価格航空会社(low-cost carrier, LCC)が、どのようにアジア各国の航空流動に影響を与えたかを分析した。また、インドネシアの自動車、オートバイ等による道路交通流動の実体とその社会・経済的な決定要因について実証的に明らかにした。廃棄物の経済分析に関係する研究では、同じくインドネシアの主要都市であるジョグジャカルタを取り上げて、廃棄物処理の近代化や廃棄物の分別といった政策の効果・影響を明らかにした。 こうした個別分野の研究を進めることと平行して、最新の関連する研究分野の動向を知るために、研究会を行った。定例の研究会を5回(各回2報告)、政策研究大学院大学において開催した。また、長崎大学において1日がかりのコンファレンス(6報告とそれに対応したコメント・セッション)を開催し、関東地域以外の研究者との間でも積極的に交流を行うように努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでワーキングペーパーやディスカッションペーパーで公表、あるいは、学会で口頭報告してきた研究成果が着実に査読付き論文等として刊行されており、当初計画したものと同程度に研究成果を得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、上の4つの分野について、研究プロジェクトの完成を見据えて、理論と実証の両面から引き続きさまざまな研究活動を推進する。たとえば、交通政策分野では、土地利用の側面を明示的に含む都市モデルにおいて、最適な交通インフラ整備が満たすべき基準を明らかにするとともに、結果をさまざまなファーストベストの都市に一般化する。また、日本の国鉄民営化を政策介入として、競争の程度に生じた違いが高速鉄道におけるサービスの品質、すなわち移動の時間費用に与えた効果を実証的に分析する。さらに、二酸化炭素排出の情報の有無が国際航空旅客のチケット購買行動にどのように影響を与えるかをランダム化コンジョイント実験を用いて実証的に明らかにする。関連分野の研究成果とも統合しながら、都市・交通政策の全体をカバーする研究成果を目指す。 平行して、研究成果の普及のために積極的に学会報告、論文出版を行う。一方、最新の関連分野の研究成果を取り入れるために、研究会を定期定期開催し(5-6回程度、毎回2名の報告者)、研究者間の意見交換、ネットワーク作りにも注力する。
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