2019 Fiscal Year Annual Research Report
アジア発リバース・イノベーション:イスラーム圏と日本を中心として
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16H03660
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
櫻井 秀子 中央大学, 総合政策学部, 教授 (60203345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潜道 文子 拓殖大学, 商学部, 教授 (60277754)
今井 雅和 専修大学, 経営学部, 教授 (80305391)
中屋 信彦 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (20325559)
篠木 幹子 中央大学, 総合政策学部, 教授 (20398332)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イノベーション / ハイブリッド経営 / 社会的企業 / コミュニティキャピタル / イラン / マレーシア / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年は、これまでの質的調査のまとめとそれをふまえた量的調査のための準備を行った。本研究は、結論としてリバース・イノベーションを「営利と非営利のハイブリッド経営」にとみなした。主な調査対象国はイラン、トルコ、マレーシア、日本である。 イスラーム圏ではワクフ(寄進施設)を現代的に活用し、営利事業として展開しつつ利益を非営利事業に循環させている諸事例について考察した。ワクフについては、イランのAstane Qods Razaviの複合ワクフ、マレーシアのJCorpのコーポレートワクフ、トルコのワクフ病院について調査し、営利部門の利益を非営利部門に還流させる仕組みについて具体的な研究を行った。イスラーム圏については、質的調査によって喜捨、寄進に関して宗教的動機があることが明らかになった。他方、量的調査による実証が今後の課題となった。 日本については、営利部門とつながる非営利事業について、経団連の1%クラブによる寄付行為を取り上げ調査した。日本においては税金の控除などが寄付の動機にあげられる場合が多いが、いわゆる長寿企業と言われる共同体社会に根付いた企業においては、共同体の存続のために営利と非営利のハイブリッド経営に近似したものが認められた。また寺院がイスラーム社会のワクフと類似した学校や宿泊施設の経営を行っている事例についても研究を進めその公共的役割について論じた。 さらにポストコロナ社会においては、このハイブリッド経営がイスラーム社会においても日本社会においてもますます重要となっていることが、ここ1年の調査において明らかになっており、本研究が追究した営利・非営利のハイブリッド経営は、社会情勢がポスト資本主義にむけてのSDGsを掲げてイノベーションを議論する流れの中、きわめて示唆に富むものとなっている。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(20 results)