2016 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業の高信頼性組織化:組織的視点からの安全とセキュリティの追求
Project/Area Number |
16H03661
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中西 晶 明治大学, 経営学部, 専任教授 (70347277)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 俊雄 昭和女子大学, グローバルビジネス学部, 准教授 (80409482)
四本 雅人 長崎県立大学, 経営学部, 准教授 (90547796)
星 和樹 愛知産業大学, 経営学部, 准教授(移行) (10409485)
三沢 良 奈良大学, 社会学部, 講師 (90570820)
矢寺 顕行 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (20582521)
吉野 直人 松山大学, 経営学部, 准教授 (20710479)
寺本 直城 関東学園大学, 経済学部, 講師 (10755953)
黒澤 壮史 神戸学院大学, 経営学部, 准教授 (10548845)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 高信頼性組織 / HRO / 安全 / セキュリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの調査研究の方法としては、HRO研究の特徴であるトライアンギュレーション(Roberts, 1989)を強く意識し、情報リソースの性質や研究対象の属性などに従って、多面的なアプローチを行うこととしている。そして、これまで蓄積した研究成果を基にして、HROとその周辺分野に関する理論研究を主流に、(1)HRO関連および対象業界についての文献・資料調査、(2)従業員やステークホルダーを対象としたアンケート調査、(3)信頼性の維持に従事する担当者やマネジャーに対するインタビュー調査、(4)事故発生時の従業員および管理者の会話をテキスト化し分析するディスコース分析およびネットワーク分析、そして(5)実際の現場を対象としたフィールドワークを行い、これらを統合して、組織における安全性・信頼性の条件を複眼的・重層的に明らかにしていくことを目的としている。このことを実現するために、本研究プロジェクトでは、研究対象とする業界ごと、研究方法ごとに調査研究チームを構築して行っている。 そして2016年度は、文献・資料調査をスタートさせた。まず、文献研究によって既存のHRO研究の整理を図るほか、参加研究者間で調査手法の統一を行った。また、これらの研究と平行して予備的なミーティングを対象組織と行い、各社の置かれた状況の把握、課題事項の論点整理を行った。この予備ミーティングにより、われわれがこれまで研究してきたフレームの適用可能性を確認し、2017年度より実施する本格的調査の際により組織の実態に適合したフレームの構築を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初設定した2016年度の計画は達成できているため、「おおむね順調に進展している」と判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2016年度の理論研究の結果と予備ミーティングに基づき、各業界2~3社程度選定し、アンケート調査、インタビュー調査、およびフィールドワークを行っていく。2017年度は、まずICT業界を対象として実施する。この理由は、前プロジェクトの主な対象がICT業界であり、本研究プロジェクトにおいても継続的に実施することが可能なためである。2017年度は、航空機整備、石油コンビナート、原子力発電企業を対象にした調査研究を行う。また、調査と並行して、2017年度以降、各学会での報告、学術論文への投稿を予定している。また、調査結果を基に、我が国のHROモデルの構築も図る。さらに、本研究プロジェクトの知見を実務に還元し企業からフィードバックを得るため、2018年度から2019年度にかけてセミナーを開催する。そして、最終年度末までに本研究プロジェクトの知見をまとめた書籍(叢書)を発行する。
|
Research Products
(23 results)