2018 Fiscal Year Annual Research Report
High Reliability Organizing in Japan: In Search of Safety and Security
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16H03661
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中西 晶 明治大学, 経営学部, 専任教授 (70347277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 俊雄 昭和女子大学, グローバルビジネス学部, 准教授 (80409482)
四本 雅人 長崎県立大学, 経営学部, 准教授 (90547796)
星 和樹 愛知産業大学, 経営学部, 准教授(移行) (10409485)
三沢 良 岡山大学, 教育学研究科, 講師 (90570820)
黒澤 壮史 神戸学院大学, 経営学部, 准教授 (10548845)
寺本 直城 拓殖大学, 商学部, 助教 (10755953)
矢寺 顕行 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (20582521)
吉野 直人 松山大学, 経営学部, 准教授 (20710479)
藤川 なつこ 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (30527651)
中原 翔 大阪産業大学, 経営学部, 講師 (50780681)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高信頼性組織 / HRO / 安全 / セキュリティ / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトでは,相次ぐ自然災害やサイバー攻撃,そして様々な不祥事に対して日本企業が安全とセキュリティを追求し,高い信頼性を誇る組織となるためには何が必要なのかを,組織論的研究である高信頼性組織(HRO:High Reliability Organization)の観点から分析検討することを目的としている。2016年度には,文献研究により既存のHRO研究の問題点を明らかにするとともに,当該分野の代表的研究者であるWeick and Sutcliffeの著書“Managing the Unexpected)をプロジェクトメンバーで訳出し,2017年度に出版した。2017年度は,本翻訳書とわれわれの導出した知見をもとに学会報告や講演・研修を実施した。あわせて,ICT、特にインターネットセキュリティに関連して企業および団体を対象にインタビュー調査を実施した。 2018年度は,継続して学会報告等を行ったが,特徴的なのは,関連分野が拡がったことである。たとえば,地域研究の文脈で組織事故についての議論,不正融資を対象としたビジネスプロセスとの関連からの分析,当事者運営組織における高信頼性組織概念の適用可能性などである。理論的にも社会物質性の視点から組織の安全やセキュリティの追求について検討することができた。また,ICT関連を対象とした調査は継続的に行っており,リサーチサイトとの良好な関係を構築している。その結果,今年度は共同研究の可能性を模索するフェーズに至った。さらに,前述のような金融機関を対象とした事例研究などにも着手し,高信頼性組織について理論的・実証的な研究をさらに進展させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「(1)当初の計画以上に進展している」と「(2)おおむね順調に進展している」の中間である。前述のように,関連分野へのひろがりは想定以上であり,今後の進展が期待できる。また,当初予定していた計画も着実に進めているので,上記のような状態と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は最終年度なので,学会発表等で成果を積極的に報告しながら,全体のまとめをすすめていく。具体的には,高信頼性組織に関するメンバー各自の研究をまとめ,叢書を出版する予定である。また,アウトリーチとして,企業等を対象とした講演や研修,メンバーが所属する各種委員会等での説明などや一般啓蒙書の執筆などを検討している。
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