2019 Fiscal Year Annual Research Report
福祉ガバナンスと介護労働の変容に関する国際比較研究
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16H03711
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石黒 暢 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (20273740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山井 弥生 (斉藤弥生) 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40263347)
吉岡 洋子 大阪大学, 人間科学研究科, 特任准教授 (80462018)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 介護 / ケア / 北欧 / ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本や欧州の高齢者介護の市場化に伴う福祉ガバナンスの変容について分析し、それが介護労働にどのようなインパクトを与えているのかを明らかにする国際共同研究である。研究対象国としては、介護サービスを租税財源でまかなうデンマーク・スウェーデンと、社会保険財源でまかなう日本・ドイツである。多様な調査手法を組み合わせ、各国の市場原理導入のあり方やそれに伴う福祉ガバナンスの変容を分析し、介護労働にどのようなインパクトを与えているか、諸相を分析する研究である。 2019年度も研究チームで定期的な研究会の開催を行った。日本、スウェーデン、デンマーク、ドイツの介護政策の最新情報を収集し、動向を分析した。とりわけ、国際的な潮流であるアクティブ・エイジングの広まりとともに先進諸国で実践されている生活機能回復支援がデンマークの介護現場にどのように導入され、それが介護労働をどのように変容させているかについて議論を深めた。さらに、国際学会Transforming Care Conferenceに出席し、研究報告を行うとともに、デンマーク、スウェーデンを初めとするヨーロッパ諸国の介護研究者と意見交換を行うことができた。また、社会政策学会の国際分科会に参加し、日本、スウェーデン、フランスの介護労働・家事サービス労働に関する議論を行った。さらなる国際比較調査に向けて、分析枠組み、調査手法、調査対象者等について議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本と北欧の高齢者介護の新たな潮流について分析し、発展させることができた。欧州の研究者と意見交換を複数回行い、今後の研究の方向性を定めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで実施した調査の結果分析をより詳細に進め、研究成果の公開にもつとめる。具体的には、国内外の学会での研究報告やジャーナルへの論文投稿を行うとともに、国際シンポジウム開催に向けて準備を進める。国際比較調査の計画も立案し、着実に実施していく。
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