2018 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental research on perceptual awareness in infants
Project/Area Number |
16H03755
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
金沢 創 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (80337691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本吉 勇 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60447034)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳児 / 知覚 / 質感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、知覚的アウェアネス(気づきやすさ)の発生過程を、乳児の視知覚の実験を通じて明らかにすることにある。具体的には、選好注視法を用いて乳児の知覚発達を検討し、アウェアネス獲得以前の乳児の知覚世界が大人と全く異なるものであることを示すものとして計画された。大人にとって認知が難しい視覚刺激がより幼い乳児にはむしろ容易に判断できることを、選好注視法を用いて示していくことで、逆に知覚的アウェアネスの成立以前と以後の知覚世界を浮かびあらせる。本計画では、この成立時期を、生後5カ月以降に生じる面、明るさ、色、動き、奥行などに関する「恒常性」維持の仕組みであるととらえ、現在我々のグループが取り組んでいる選好注視法をベースとした刺激呈示法などを用いて知覚的アウェアネスの発達過程を解明することをこと目的とした。 2018年度および2019年度は、意識的処理と無意識的処理がぶつかり合う過程としてこの知覚的アウェアネスをとらえ、乳児におけるこの過程を捉える実験パラダイムの検討を行った。具体的にはいわゆる顔刺激を用いて、短い時間で複数の画像が呈示される中で、顕在性が高い刺激を捉えることができることを乳児でも示し、この時間特性ならびに認知の特性を検討することで、5か月以降に生じる恒常性の仕組みを解明することに成功した。また、これらの知覚的アウェアネスを支えるより基礎的な視覚メカニズムとして、皮質に存在する局所運動検出器の特性を検討し、これも5か月以降に発達する抑制メカニズムが重要であることを明らかにした。また、恒常性を作り出す複数の感覚モダリティの統合過程についても、その発達を明らかにした。これらの成果により、乳児における動きや面などの恒常性を作り出す仕組みが一定程度解明された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)