2016 Fiscal Year Annual Research Report
「学び続ける教員」を支えるアクティブ・ラーニング型教員研修プログラムの開発
Project/Area Number |
16H03765
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮谷 真人 広島大学, 教育学研究科, 教授 (90200188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米沢 崇 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (20569222)
林 孝 広島大学, 教育学研究科, 教授 (30144786)
鈴木 由美子 広島大学, 教育学研究科, 教授 (40206545)
高橋 均 広島大学, 教育学研究科, 講師 (40523535)
中井 悠加 広島大学, 教育学研究科, 助教 (40710736)
佐々木 哲夫 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (50757284)
曽余田 浩史 広島大学, 教育学研究科, 教授 (60253043)
西本 正頼 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80773796)
沖野 清治 広島大学, 教育学研究科, 特任教授 (90582239)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教師教育 / 教員研修 / アクティブ・ラーニング / 学び続ける教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年次である平成28年度には、2つの研究課題に取り組んだ。1点目はアクティブ・ラーニング型教員研修プログラム(以下AL型教員研修プログラム)の理論的基盤の構築である。2点目はAL型教員研修プログラムの開発である。 1点目の理論構築では、文献調査および国内外への現地訪問調査、質問紙によるニーズ調査で研究を進めた。第一に、文献調査によって、社会人である教員を対象とした人材育成の場における学びの姿としての「アクティブ・ラーニング」の定義を試み、教員研修プログラムのモデル構築に向けた示唆を得た。国内訪問調査では、各地の教育委員会および大学に訪問し、教員研修改革の動向を探るための情報を得た。海外訪問調査では、オーストラリアのメルボルン大学評価プログラムセンター(The Centre for Program Evaluation)内に2015年に新設された国際教師教育効果研究拠点(iTEERH)を訪問し、iTEERHの開発した教員評価指標、フォローアップ型教員研修プログラム等について示唆を得た。ニーズ調査では、研修権を有する教育委員会を対象としてAL型教員研修プログラムに必要な要素に関する質問紙調査を実施し、53の調査票を回収した(回収率46.4%)。現在、集計等を行っている。 2点目のプログラム開発では、これまでの研究成果を発展させ、広島県立教育センターでの初任者研修において、大学教員と指導主事のチーム・ティーチング形式による初任者教員の授業力向上に資するプログラムに取り組み、AL型教員研修プログラムのモデル構築に向けた示唆を得た。また、大学院研修として、教職大学院における授業を分析することや学校マネジメントの力量を形成するアクティブ・ラーニングの在り方について検討することを通じて、「学び続ける教員」の基礎構築の支援となり得るプログラムにおいて重要な要素を抽出することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論構築に関しては、AL型教員研修プログラム開発に必要不可欠な、教員研修におけるアクティブ・ラーニングの定義付けを行うことができ、初年度として当初の予定通り進捗している。また、プログラム評価および教員研修に関する研究を国際的に展開するiTEERHへの訪問・研究会議が実現したことで、プログラム開発の土台となる資料・情報を収集することができた。またこの訪問により、国際共同研究に着手する素地もつくることができ、当初の予定を上回る成果を得ている。国内訪問調査およびニーズ調査では、全国の教員研修プログラムの動向とその課題を分析するに足るデータを収集することができており、当初の予定通り進んでいる。 加えて、初任者研修を対象とした研修プログラムの継続的な実施や教職大学院での取り組みの成果検証を実施することで、AL型教員研修プログラムのモデル構築に向けた基礎を固めることができ、当初の予定に先んじてプログラム開発研究に着手することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、訪問調査により得られたデータおよび情報の分析・考察を通して、AL型教員研修プログラムおよび教員が自らの力量形成を把握するための評価指標となるスタンダード・ルーブリックの開発に向けたさらなる基礎理論構築を目指す。同時に、その理論に基づいて、「学び続ける教員」育成のためのAL型教員研修プログラムの試行版となるモデル開発を行う。 具体的には、国内訪問調査および質問紙調査から得たデータ分析を通して、本研究が目指すAL型教員研修プログラムの位置づけとその課題・可能性を探る。また、海外の研修についての分析を通して、研修プログラム評価の枠組みおよび運用方法についての示唆を得る。それらに基づき、AL型教員研修プログラムに必要な要素を明らかにし、課題の発見・解決に向けて主体的・協働的な学習を促すAL型教員研修プログラム開発(試行版、スタンダード・ルーブリックの開発を含む)を行う予定である。
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Research Products
(7 results)