2017 Fiscal Year Annual Research Report
Asian Network for Wiring School Reform Study for School as Learning Community
Project/Area Number |
16H03769
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
佐藤 学 学習院大学, 文学部, 教授 (70135424)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 学校改革 / 授業改革 / 学びの共同体 / 教師の専門性 / 教職研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度においては、4月から10月にかけて、中国、香港、台湾、韓国の研究者の訪問交流、および、中国、韓国、台湾への訪問調査と研究交流を行い、10月20日と21日に韓国慶尚南道教育研修院において第5回学びの共同体国際会議を開催した。この国際会議には、英、中、台湾、香港、韓国、日本、ベトナム、インドネシア、シンガポールなど計10か国350名の教区研究者と教育行政関係者と教師が集まり、本プロジェクトを主題とする「学びの共同体の授業改革と学校改革」について研究と実践の交流を行った。この第5回国際会議の中心主題は「民主主義」であり、教室において生徒を「学びの主人公」にする教育関係のあり方、民主主義社会を準備する学校改革のあり方、教師の専門家共同体における民主主義の重要性、教師政策と学校行政における民主主義的な統治のあり方、学校と地域社会における民主主義的な連帯のあり方が、上記10か国における「学びの共同体」の改革の実践に即して検討された。 さらにこの第5回国際会議にひきついで、名古屋大学で11月24日から26日に開催された世界授業研究学会の大会においては、「アジアの学びの共同体」をテーマとする特別シンポジウムが開催され、アジア諸国から350名が参加して、このプロジェクトの主題にもとづく研究交流が行われた。そのほか、11月にはインドネシア、12月には中国と台湾において本プロジェクトに関するシンポジウムとワークショップ、11月にはJICAのプログラムによるインドネシアの研究者による「学びの共同体」の訪問調査と研修も行われた。 若手研究者の育成においても、10月の国際会議、3月の訪中調査などを実施し、アジア諸国の「学びの共同体」を推進する若手研究者の研究交流を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトは、平成28年度以降、当初は国内で予定していた国際会議を国外で実施してきた。平成29年度は、昨年度の北京師範大学に続いて、韓国の慶尚南道の教師研修院において開催し、来年度は中国の福建師範大学において開催することが決定している。本プロジェクトの中心目的であるアジア・ネットワークも拡充し、中国においては北京師範大学に「学びの共同体国際センター」が設置され、韓国の「学びの共同体研究所」は全国すべての地域にネットワークが建設され、インドネシアでは授業研究学会が「学びの共同体」を掲げた継続的な国際シンポジウムを開催するようになった。 本プロジェクトを契機として「学びの共同体」をテーマとする学術論文、学術書も多数海外で出版されるようになり、教育研究として最も権威のある学術誌の一つ、ケンブリッジ教育ジャーナルにも、本プロジェクトの論文が掲載されたほか、ラウトリッジ社から「アジアの学びの共同体」の学術書、メキシコの最も権威ある出版社からも本プロジェクトの「学びの共同体」の研究書が近々出版されることが決定している。 若手研究者の交流、教育行政の関係者の国際交流も活性化し、アジアの学校改革において本プロジェクトは最も影響力のある研究として着目を集めている。 これらの成果は、予想以上の展開であり、当初の計画以上の進展を示している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、平成30年度は本プロジェクトの最終年度であることから、11月20日と21日に中国・福建師範大学において開催される第6回学びの共同体国際会議を総括的な会議として位置づけ、アジア各国の研究者との集約的な研究交流を行いたい。 すでに、中国、韓国、台湾、インドネシア、ベトナムにおいて「学びの共同体」の改革は国家政策、あるいは準国家政策になっており、タイやシンガポールや香港においても、最も注目される学校改革として実践されている。この実績を踏まえて、今後は、さらなる学術研究論文の各国における発行と学術書での実績報告につとめ、より総合的な研究の交流と蓄積をはかりたい。 本プロジェクトにより、北京師範大学(中国)、国立教育研究所(シンガポール)、チュラロンコロン大学(タイ)、インドネシア教育大学などが「学びの共同体国際センター」を設置しており、これらの大学間の研究交流のネットワークも充実させる必要がある。 さらに近年、アフリカ諸国、中南米においても「学びの共同体」の改革への関心が高まり、この主題による学術書や研究論文も発刊されている。これらアジア外の諸国とのネットワークづくりも今後の課題である。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] 学校建築:日本与台湾2018
Author(s)
佐藤 学
Organizer
International Symposium and Case Exhibits on Campus Aesthetic and Environmental Education,
Int'l Joint Research / Invited
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