2018 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な大学組織の探索:組織の規模と範囲・組織間関係の現状・変容・存続の分析
Project/Area Number |
16H03780
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村澤 昌崇 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (00284224)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 貴史 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 名誉教授 (90125790)
阿曽沼 明裕 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (80261759)
藤墳 智一 宮崎大学, 教育・学生支援センター, 准教授 (30248637)
堀田 泰司 広島大学, 森戸国際高等教育学院, 教授 (40304456)
大場 淳 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (50335692)
白川 優治 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (50434254)
安部 保海 広島大学, 教育室, 研究員 (20531932)
立石 慎治 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 主任研究官 (00598534)
渡邉 聡 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (90344845)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 大学組織 / 連携統合 / 組織変容 / 規模と範囲 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多様化する大学 組織形態が「どの目的」「誰」にとって望ましいのか、を解明することにある。そこで理論研究、国際ケーススタディ、数理・計量分析を通じて、国内外で進行中の大学の多様な組織変容(規模と範囲の変容、連携統合等組織間関係の多様化)に着目し、効率や近視眼的な生産性に振り回されない、持続可能な、多目的を追 求する大学に相応しい組織形態の適正解を導出することを目的とする。 今年度は、引き続き実証のための統計モデルの探索を行うとともに、実証研究に重点を置き、大学の生産性に対する規模と範囲の効果の検証を行う分析を展開した。若手を中心とした研究会をほぼ1ヶ月に1回のペースで開催し、その成果を学会発表(松宮・中尾・村澤 2018)、中尾・村澤(2018)、村澤・中尾・松宮(2019)として刊行した。また成果の一部の主なものとして、学会特集論文(立石・丸山・松宮・速水・中尾・村澤(2019))として刊行予定である。 さらに、分担研究者により、大学の組織構造とガバナンス・マネジメントの関係が検討され、組織の階層性と運営文化との関係が明らかにされるとともに、リーダーシップのあり方が再考された。それら研究成果の一部は(羽田 2018,2019ほか)にまとめられた。 加えて、本科研を母体とした、高等教育研究の検証を目指す有志の研究集団「高等教育研究プラットフォーム」http://www.herpt.hiroshima-u.ac.jp/doku.php?id=homeが立ち上げられ、これまでにない先鋭的な高等教育研究のアプローチが目指された。その一環として、大学組織のあり方を模索する研究企画も組まれている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研3年目を迎え、業績一覧に見られるように、科研を母体とした学会発表や論文が多数上梓され、成果がすでに得られている。 さらに、本科研の基盤をなす、大学組織に関する基礎的文献を読解と方法論の研究が継続的になされ、若手を中心とした研究会を月1回のペースで開催することができ、若手人材育成支援がなされた。 くわえて、本科研でのこれまでの取り組みを母体として、本科研課題を遂行する上で欠かせない理論・方法の検討を進めるために、高等教育研究の検証を目指す有志の研究集団「高等教育研究プラットフォーム」が立ち上げられた(http://www.herpt.hiroshima-u.ac.jp/doku.php?id=home)。ここを拠点にすでに2回の研究会が開催され、これまでにない先鋭的な高等教育研究のアプローチが目指され、理論・方法の見直しと高度化が進められた。 これらを総合的に判断し、おおむね順調に進んでいる、と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度立ち上げた「高等教育研究プラットフォーム」を拠点とし、本科研課題に欠かせない理論・方法の検討を進めるとともに、研究成果を社会に還元することも兼ね合わせた研究会・シンポジウムを開催する。また、これら成果の一部を、叢書として出版する企画を進行させる。 また、継続課題である大学の機関レベルでのデータの整備を東洋経済新報社の「大学四季報」を中心として進めるとともに、随時機関レベルのデータの拡張(論文数、学位授与数、研究不正の件数など)を展開する。そのデータをもとに、組織としての規模と範囲の適正性、変容の予測などを行う。構築した機関レベルのデータは、河合塾・KEIアドバンスとの連携により、学生調査データをマージし、それらを事例として活用した分析を進めつつ、成果の一部を大学教職員向けの組織経営の研修へと繋げるプログラムも展開予定である。 今年度は、最終年度でもあるので、これまでの成果を整理するとともに、国内外への学術誌へ鋭意投稿を進める。
|
Research Products
(17 results)