2016 Fiscal Year Annual Research Report
複数地点で展開する「いじめ追跡調査」によるいじめエヴィデンスの再構築
Project/Area Number |
16H03805
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
頼本 維樹 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, フェロー (30446249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝 充 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 総括研究官 (50163340)
中野 澄 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 総括研究官 (70741940)
藤平 敦 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 総括研究官 (60462157)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | いじめ / 追跡調査 / エヴィデンス / 生徒指導 / 比較研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の主目的は、国立教育政策研究所が1998年から2015年までの18年間にわたって実施してきた「いじめ追跡調査」が明らかにしてきた知見を、調査地点を1地点から2地点に増やすとともに、補助的な訪問調査を実施することで、より確実なエヴィデンスとして提示することにある。 ここで言う「いじめ追跡調査」というのは、代表性のある調査地点として関東にある一つの中規模の市を選び、市内全域の小中学校に在籍する小学4年生から中学3年生の全員を対象に、匿名性を確保した上で年に2回ずつの調査を継続的に実施し、いじめの発生実態や発生プロセスを解明してきた、世界でも希な大規模調査のことである。 今回の研究では、中部地方に新たな調査地点を増やして同様の調査を実施し、両者の比較検証によって、従来の知見をより代表性のあるエヴィデンスへと発展・継続させていく。併せて21年間の全期間の再分析を行う。 4年にわたる研究期間のうち、最初の3年間は意識調査実施期間として「いじめ追跡調査」と同様の意識調査を行い、最終年度に全体を通した比較分析を行う。また、地域や学校の実情を把握しておくために、3年間の意識調査実施期間中に教育委員会と学校への訪問調査を年に2回ずつ行う。 この意識調査については、国立教育政策研究所が実施してきた18年間にわたる「いじめ追跡調査」を引き継ぐ形で、年に2回ずつのいじめに関する意識調査を行う。記名式でありながら匿名性を確保するために、記入後、回答者自身で封入できる封筒を準備する点も、従前通りである。なお、調査対象者についても、従前通りで、小学校4年生から中学校3年生までの市内全域の児童生徒を対象とした悉皆調査とする。 こうした計画通りに、本年度は調査を行うとともに、アメリカの研究所を訪問し、情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度は、計画通りに2地点目の調査地点を確保し、調査を実施した。6月末には第1回調査を実施し、8月中にデータ入力を済ませ、単純集計結果を各学校に返送した。11月末には、第2回調査を実施し、1月にはデータ入力と単純集計結果の返送を行った。 また、10月にはアメリカの研究所を訪問し、情報交換を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
もともと、4年間の計画を綿密に立てているので、その計画に従って粛々と調査を行い、分析を進めていく。 なお、このようにきちんと設計された追跡調査は世界的にも希なものなので、来年度以降も各国の主たるいじめ研究者を訪問し、情報交換を行っていく予定である。
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