2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research to realize the definition of the kilogram based on the fundamental constants
Project/Area Number |
16H03901
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
倉本 直樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ付 (60356938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 章 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (30635800)
稲場 肇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (70356492)
水島 茂喜 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (60358091)
藤田 一慧 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (80759952)
藤井 賢一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 首席研究員 (50357901)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 基礎物理定数 / 標準 / プランク定数 / アボガドロ定数 / 質量 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、普遍的な基礎物理定数によって、キログラムを定義することが検討されている。これまでに我々は、シリコン単結晶の密度などからアボガドロ定数を高精度に測定し、定義改定実現のための研究を進めてきている。アボガドロ定数測定の高精度化には、密度測定に必要なシリコン単結晶球体体積測定の高精度化が支配的な役割を果たす。本研究ではキログラムの基礎物理定数による定義実現のため、次の研究開発を行う。 1) 質量1 kgのシリコン単結晶球体の直径を、ほぼ原子間距離に等しい0.3 nmの精度で測定する青色半導体レーザー干渉計を開発し、球体体積を1.0E-8の精度で決定する。 2) 28Si同位体濃縮シリコン結晶を用い、アボガドロ定数を世界最高精度(1.4E-8)で決定する。 この目標を達成するために、以下の項目を平成29年度に実施した。 1)Si球体直径測定用青色半導体レーザー干渉計開発:426 nm付近で光周波数チューニングが可能なシステムを構築した。光周波数の基準には長さの国家計量標準である「光コム」を用い、モードホップのない20 GHzの範囲にわたる光周波数掃引を可能とした。 2)28Si単結晶球体を用いたアボガドロ定数測定:28Si単結晶球体の直径測定、質量測定、表面分析を実施し、アボガドロ定数を世界最高精度(1.2E-8)で決定した。新たなキログラムの定義は、原子の質量と密接に関連するプランク定数となる予定である。科学技術データ委員会(CODATA)は、2017年10月に新たなキログラムの基準となるプランク定数の値を決定した。この値の決定に、本研究で決定したアボガドロ定数から導出したプランク定数も採用されている。これは、1889年に国際キログラム原器によって質量の単位が定義されて以来、130年ぶりとなる定義改定に大きく貢献する歴史的な成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Si球体直径測定用青色半導体レーザー干渉計開発は順調に進んでおり、平成30年度には測定が可能となる見込みである。一方、平成30年度に予定していた28Si単結晶球体を用いたアボガドロ定数測定に関しては、予定を前倒しして、平成29年度に実施した。これは、28Si単結晶球体が国際プロジェクト「アボガドロ国際プロジェクト」に参画している5つの研究機関の共同財産であり、産総研が測定のための28Si球体を保持できる期間が平成29年度に限られてしまったためである。このため、本研究で開発予定の青色半導体レーザー干渉計ではなく、すでに整備済みの赤色半導体レーザーを用い、球体直径測定を行いアボガドロ定数を決定せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、開発した青色半導体レーザーによるSi球体体積測定を実施する。さらに、国際プロジェクト「アボガドロ国際プロジェクト」参画研究機関の合意が得られれば、平成29年度に実施した28Si単結晶球体の直径測定、質量測定、表面分析を再び実施、アボガドロ定数を決定する。平成29年度に測定した測定したアボガドロ定数との整合性確認、他国の国立計量標準機関の決定したアボガドロ定数との比較を行う。
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Remarks |
本研究で実施した基礎物理定数によってキログラムを定義するための研究の詳細を上記のホームページにまとめています。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] The CODATA 2017 values of h, e, k, and NA for the revision of the SI2018
Author(s)
D B Newell, F Cabiati, J Fischer, K Fujii, S G Karshenboim, H S Margolis, E de Mirand P J Mohr, F Nez, K Pachucki
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Journal Title
Metrologia
Volume: 55
Pages: L13-L16
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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