2018 Fiscal Year Annual Research Report
秒角空間分解能の硬X線撮像分光観測に向けたCdTe半導体検出器の開発研究
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16H03966
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
渡辺 伸 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (60446599)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / X線天文学 / CdTe半導体検出器 / X線撮像分光検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
秒角の空間分解能を持った硬X線撮像観測の実現に向けて、大面積と100ミクロンの位置分解能を兼ね備えた硬X線撮像検出器、特にCdTe半導体両面ストリップ型検出器の開発、研究を実施している。 100ミクロンというような狭ピッチのCdTe両面ストリップ検出器を実現する上での課題は、半導体素子上のストリップ電極と信号処理用LSIとを電気的に接続する実装方法である。これまでCdTe半導体表面上の電極に対して、シリコン素子で通常用いられるようなワイヤーボンディングが適用できなかったが、本年度、ワイヤーボンディングが可能となるCdTe半導体素子にむけた試作、評価試験を実施した。小型の試作素子を用いて、リーク電流測定やスペクトル測定を実施し、評価した。評価の結果、これまでCdTe半導体素子向けに開発研究してきた実装方法に比べて、優れた性能の検出器を歩留まり高く得られそうであり、今後、より実践的なストリップ電極CdTe半導体素子の試作、評価を実施していく。 本年度は、すでに開発済みの60ミクロンストリップピッチのCdTe半導体両面ストリップ検出器を用いて、詳細の検出器応答を調べる実験を行なった。データ収集系を改良し、高い統計の測定データを取得し、CdTe半導体内の60ミクロンより小さなスケールでの検出器応答の一様性を調べることができるようになった。60ミクロンストリップピッチにより初めて見えるようになった構造がわかり、ストリップ電極の設計に反映させるべき知見が得られるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標となる硬X線撮像検出器に向けて、順次、試作を行い、評価試験を実施している。これまで実現できなかった手法の基礎評価試験を実施し、最終的に目標となる検出器実現に向けて、検証試験を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
目標となる検出器実現に向けて、検証計画を立てて、実行していく。今年度得られた試作、測定、試験の結果をもとに、より実践的な試作、評価試験により、検証を行う。現時点で、研究を遂行する上で問題点はない。
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Research Products
(8 results)