2017 Fiscal Year Annual Research Report
Novel phenomena in the incommensurate orbital/charge ordered state
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16H04020
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和達 大樹 東京大学, 物性研究所, 准教授 (00579972)
森 茂生 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20251613)
奥田 哲治 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (20347082)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 軌道整列 / 電荷整列 / 非整合 / 緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホランダイト構造をとるBaxTi8O16+δの非整合電荷整列と物性: 非整合な電荷整列を起こすことが知られているホランダイトBaxTi8O16+δについて、Ba濃度、酸素のオフストイキオメトリーを変化させてTiのd電子数nを様々に変化させた単結晶試料を作製し、その物性を調べている。これまでにn=0.2付近の組成では、電子線回折により5倍周期の電荷整列が起こることが分かっていたが、n=0.1でも0.2の場合とほぼ同様の5倍周期の長周期構造が起こることが分かった。この5倍周期の電荷整列の安定性が、n=0.2付近で電荷整列相転移に伴う異常が最も大きくなることに対応していると考えられる。 La5Mo4O16の緩和現象: 2次元磁性体であるLa5Mo4O16では、60K以下の低温で、非常に奇妙な緩和現象が磁気抵抗と磁化率で観測されている。この物質の歪測定を行った結果、60K以下で歪の異常が見られ、そこで格子定数が変化していることが明らかになった。これは軌道/電荷整列の証拠であると考えられるため、より詳しい測定を継続する予定である。 BaV10O15の緩和現象: 軌道整列の整合非整合相転移を起こすBaV10O15で見出された緩和現象について、より詳細に調べた。その結果、この物質における緩和現象は、電気抵抗率、帯磁率ともに、その振舞は相転移的であることが明らかになった。一方、BaV13O18系においても緩和現象が見出されたが、それは相転移的ではなく、二相の体積分率が時間とともに変化するような振舞を示す。この振舞の違いについて、より詳細に調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共鳴x線散乱実験による電子構造の解明が若干遅れ気味であるが、新たに発見された緩和現象の解明などは当初の予定以上に進んでおり、全体としては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り進めていく
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Research Products
(9 results)