2017 Fiscal Year Annual Research Report
Non-Gaussian fluctuation and rheology in jammed matter
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16H04025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
早川 尚男 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (90222223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 猛史 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (10760978)
齊藤 国靖 東北大学, 数理科学連携研究センター, 准教授 (10775753)
大槻 道夫 島根大学, 総合理工学研究科, 講師 (30456751)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジャミング / シアシックニング / レオロジー / 非ガウスゆらぎ |
Outline of Annual Research Achievements |
2017度は4回研究メンバー全員が集まった研究成果発表会を開き、そのうちの一回はアメリカのO'Hern教授を招いた国際会議形式を取り、本研究課題を推進した。 出版論文は13(謝辞記載有りは11)であり、投稿中のプレプリントは4本である。これらの数は昨年並であるが、High Impact Factorへの発表論文が2つあり、そのうちの1本は日経新聞をはじめとした各種メディアに大いに取り上げられて注目された。国際会議の招待講演は5件(全て海外)、国内の招待講演は5件であった。 主な研究成果として(1)シアシックニングの運動論をある程度濃いサスペンションへの適用の成功, (2) ジャミング点近傍でのサスペンションレオロジーの理論の発展、(3) シアジャム状態のプロトコル依存性の明示とシアシックニングとの関係の明示、(4)粘着性粉体のレオロジー;特に凝集不安定性、(5)粉体パイルの緩和 (6) パッキングへの摩擦のサイズ分布の影響、(7)剪断粉体系での異方的なエネルギースペクトルの緩和、 (8)摩擦のある粉体ジャム系でのシアモディラスの不連続な変化等を明らかにした事等が挙げられる。その他、非ガウスゆらぎの量子系への適用、幾何学的位相がある場合に非断熱的効果によってOnsager関係式が破れる事にも成果を挙げている。 その他、現在研究が進展中でかつ論文執筆準備中の研究内容は非ガウスノイズの影響を受けた多体問題と2体有効相互作用に関する理論的研究、粉体環境中のトレーサー粒子間に働く有効相互作用、摩擦のある系のシアシックニングの理論等である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記載した通り、成果は順調に上がっているだけでなく、参加メンバー間の連絡は緊密に行われている。一方で非ガウスゆらぎに関連した研究は量子系の論文を発表した後、スタックした状態になっており、また全般的にも予想を超える驚くような大発見は出ていないのも事実である。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度での大きな予定は研究代表者が中心になって2週間程度の滞在型国際研究集会を京大基研で開く事である。勿論、研究分担者も全員集まって研究上の議論を行う予定である。更に10月末にも2日間の予定で小規模な国際研究集会を開く予定である。その他にメンバーのみを集めた研究連絡会を2回程行う予定である。 具体的な研究内容については、摩擦のある系の不連続シアシックニングの理論の構成を目指す事、3次元系の大規模なシミュレーションからパーコレーションとシアジャミングの関係を明らかにする事、粉体環境中におかれた物体間に働く有効相互作用の理論を構築する事等が目標となる。
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Remarks |
本研究課題に関する活動、成果(含公刊論文、プレプリント、発表、研究連絡会、アウトリーチ)等を全て網羅的に掲載している。
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