2016 Fiscal Year Annual Research Report
雷雲下の風力発電施設からの前兆電波を利用した被雷回数の大幅低減手法の開発
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16H04315
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高木 伸之 岐阜大学, 工学部, 教授 (80179415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 教授 (20273120)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 風力発電 / 落雷予知 / 対雷対策 / 電波源位置標定 |
Outline of Annual Research Achievements |
風力発電は発電単価が安いことから世界各国で導入が伸び続けているが、日本では導入の余地が十分にあるにもかかわらず頭打ち傾向にある。その主な原因の一つが冬季の落雷による被害である。本研究では風力発電での落雷による被害を現状の数分の一に削減するための新たな安価な落雷の予知技術を開発することを目的としている。 本研究目的を達成するために(1)電波放射源位置標定装置の製作、(2)装置を用いた電波放射源の測定、(3)予知をするのに最適周波数の特定、(4)予知をするのに最適なアンテナ配置間隔の特定、(5)予知の位置精度の検証、(6)落雷の何秒前までに予知が可能か検証、(7)前兆電波の発生から落雷へ移行する割合の特定、(8)空間電荷の上向き雷進展抑制効果の理論を構築、(9)前兆電波を生む放電の特定、(10)新型レセプタの開発を実現させる。今年度は上記の(1)から(5)を重点的に行った。 落雷には、電流の極性に正・負・両極性の3種類あり、雷撃電流のピーク値は4桁も異なり振れ幅が大きく、雷雲も規模や種類が異なるので、少なくとも4年間の観測データが必要である。雷観測は石川県の内灘町周辺で約3ヶ月間常駐して行った。また、冬季雷観測をミス無く行うために研究協力者である大学院生の熟練度を向上させるために夏季は夏季雷を対象とした観測を岐阜大学で行った。アンテナは石川県全域をカバーできるように北は志賀町から南は小松市まで合計8カ所に設置した。全システムが稼働したのは1ヶ月弱であったが数十例の雷放電を記録することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の(1)電波放射源位置標定装置の製作 は9セット製作し、性能を評価した。雷放電の放射源位置標定に必要な性能があることを確認した。研究目的の(2)装置を用いた電波放射源の測定 においては石川県内に8カ所(内5カ所は常時観測、3カ所は臨時)に設置し雷観測を行った。研究目的の(3)予知をするのに最適周波数の特定、1MHzと70MHzの両方を受信し比較を行った。いずれも大きな人工雑音を存在しなかった。研究目的の(4)予知をするのに最適なアンテナ配置間隔の特定は5km~80kmの間隔で置かれているので、得られたデータを用いて今後検証する。研究目的の、(5)予知の位置精度の検証 ではデータ数は少ないが他の落雷位置標定装置の結果と1kmの差で一致していた。今後データを増やして検証する。 以上のような結果が得られており、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
同一の放電を4カ所以上のアンテナサイトで同時に記録できた例が多くないので、詳細な放電路の3次元図を描くには至っていない。臨時箇所を除く5カ所の観測サイトで現在も常時測定をしているので、データが集まれば本システムの性能を特定することができる。3カ所のサイトのデータを用いた解析結果の位置誤差は小さいので、良い性能が実現できていると確信している。夏の雷から性能評価をするために、現在岐阜と愛知の4カ所にアンテナを設置した。今後さらに設置数を増やして、上向き雷の監視領域を増やし、実用度を検証する。この冬の観測用に1カ所の追加地点の許可(石川県獅子吼高原)を得ているので、平成29年度は常時観測地点を2カ所増やす予定である。
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Research Products
(13 results)