2016 Fiscal Year Annual Research Report
圧電MEMSと強誘電体ゲートFETの集積化素子による高感度超音波検出の実証
Project/Area Number |
16H04353
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉村 武 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30405344)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 圧電体 / 強誘電体 / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
今日の医療において画像診断は欠かすことのできない手法となっている。その一つである超音波診断は、被爆の心配がなく、診療所レベルまで広く普及している。一方で、超音波診断装置には空間分解能が低いという課題がある。圧電MEMS超音波トランスデューサは、超音波の送受信部の機械的特性を生体に近づけることが可能で、この課題を克服できると期待される。しかし、強誘電体薄膜の圧電特性がバルク単結晶に遠く及ばないことなどの要因により実用化には至っていない。本研究では、高性能な圧電MEMS超音波トランスデューサの開発および強誘電体ゲート電界効果トランジスタによる高感度検出の実証を目的としている。圧電MEMS超音波トランスデューサの高性能化については、エピタキシャル成長技術による強誘電体薄膜の高品質化に取り組んだ。組成の異なる薄膜を一回の製膜実験で作製することが可能なコンビナトリアルスパッタ装置を構築し、組成の最適化を効率的に行えるようにした。さらにこのような薄膜の特性を短時間で解析できる手法を開発した。本格的な製膜条件の最適化は29年度に実施する計画である。また圧電MEMSトランスデューサの設計および作製プロセスの確立も行った。強誘電体ゲート電界効果トランジスタについても、CMOSプロセスに適合する強誘電体薄膜の成長を行ことができた。本年度は要素技術の確立と素子の設計が中心であったが、おおむね計画通りに進捗していると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
圧電MEMSトランスデューサの設計および作製プロセスはおおむね確立した。また強誘電体ゲートFETの作製についても目途がついた。強誘電体薄膜の成長に関しては下地の検討が中心になっているが、29年度中には本研究で必要な素子の試作が行える見込みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
強誘電体ゲートFETと圧電MEMS超音波トランスデューサの集積化に取り組み、その素子を用いた超音波の高感度検出の実証実験に取り組む。
|