2017 Fiscal Year Annual Research Report
圧電MEMSと強誘電体ゲートFETの集積化素子による高感度超音波検出の実証
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16H04353
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉村 武 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30405344)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 圧電 / 強誘電体 / 超音波 / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
圧電MEMS技術を用いた超音波トランスデューサは、超音波診断装置の高空間分解能化に寄与できると期待されるが、従来の送受信回路とは整合性が悪く検出感度が低下するという課題がある。本研究では急峻スイッチング特性を有することが期待できる強誘電体ゲート電界効果トランジスタを用いて超音波信号の高感度検出を実証することを目標としている。 まず圧電MEMS超音波トランスデューサについては、要素技術である圧電体薄膜の高性能化と素子の試作に取り組んだ。前者においては、29年度に構築したコンビナトリアルスパッタ法を用いて、薄膜の成長条件の最適化をおこなった。薄膜組成に影響を及ぼす成長温度や製膜圧力を変化させても、本手法を用いることにより化学量論組成の薄膜を容易に得ることができた。さらに作製した薄膜の圧電特性微視的にかつ解析する評価方法の開発も行った。これらを融合させることにより、高い圧電特性を発電させるのに有利な分極ドメイン構造を明らかにすることができると考えている。MEMS素子については、有限要素法による素子の設計と特性シミュレーション、実際の素子の試作を行った。 強誘電体ゲート電界効果トランジスタについては、負性静電容量による急峻スイッチング特性の発現の解明に向けて数値シミュレーション手法を確立した。動的な分極反転挙動を取り入れることにより、パルス信号に対するスイッチング特性の計算を可能にした。この手法を用いることで、センシング応用に適した強誘電体薄膜の特性や素子構造を明らかにできると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
圧電薄膜およびMEMS素子の作製および強誘電体ゲート電界効果トランジスタの急峻スイッチング特性について、ほぼ計画通りに実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
試作した素子の評価を行い、その結果を用いて素子の解析モデルと構築する。強誘電体ゲート電界効果トランジスタのしミューレションと誘導させることで、超音波信号の高感度検出の可能性について議論する。強誘電体ゲート電界効果トランジスタの試作と急峻スイッチング特性の評価にも取り組み、実験的検証も目指す。
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