2017 Fiscal Year Annual Research Report
三次元微細構造解析による劣化した橋梁構造部材の残存性能評価と補修補強
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16H04388
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長井 宏平 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (00451790)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コンクリート / 残存構造性能 / 離散解析 / 腐食 / 鉄筋付着 |
Outline of Annual Research Achievements |
三次元微細構造解析プログラムに鉄筋の腐食を考慮する膨張モデルを導入し、これに実現象を表現する構成モデルを組み込んだ。鉄筋腐食により生じる膨張圧は、腐食環境や速度により変化するため、表面ひび割れと腐食率から腐食生成物による膨張圧を決定するスキームを新たに構築し、実験からその関係を求められるようにした。また、既往の実験から鉄筋の軸方向に異なる腐食分布を直接的に微細構造解析に取り入れ、腐食による局所な膨張とひび割れ発生と、その後の耐力推定を行う解析を可能とした。微細構造解析では鉄筋の節までモデル化することで局所的な付着ひび割れを表現する。これを腐食後にも対応させるために実験を行った。節の影響を検討するために、通常の異形鉄筋に加えて、丸鋼による腐食後の引抜試験を行い構成モデルの高度化を図っている。また、画像解析手法を用いて、節近傍のひび割れ進展を直接観察することを腐食無しの条件で実施し、局所の付着性状を観察可能とし、解析の検証や構成モデルの高度化に活用した。 ASRとDEFの体積膨張によるひび割れ発生の相違を検討する解析を行った。ここではコンクリートを骨材とモルタルの二層モデルとし、ASRでは骨材表面を膨張させ、DFEではモルタル部を膨張させ、全体膨張とひび割れ分布の関係を確認した。また、対象としているインド鉄道の枕木のひび割れ問題では、顕微鏡観察によりASRとDEFが両方発生している可能性があることが分かり、解析でもASRとDEFを同時または前後に発生させることで、ひび割れ発生や内部応力状態への影響を確認した。 補修材による補強効果の実験と解析による検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析プログラムの拡張が進み、実験と並行させて高度化が進んでいる。また、海外の劣化事例を活用した体積膨張によるひび割れ問題へも取り組み、研究全体として事前に計画した内容に沿って、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に沿って、活動を続ける。特段の問題は無い。
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Research Products
(2 results)