2016 Fiscal Year Annual Research Report
Pulsed power and related technology for reduction of radioactive contaminated concrete waste
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16H04390
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
重石 光弘 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (50253761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浪平 隆男 熊本大学, パルスパワー科学研究所, 准教授 (40315289)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射能汚染コンクリート / 放射能除染 / 放射性廃棄物減容化 / パルスパワー技術 / 福島第一原子力発電所 / 放射性セシウム / 廃炉 / 再生骨材 |
Outline of Annual Research Achievements |
パルスパワー技術による汚染コンクリートの除染試験を実施した結果、5mmの金網電極を使用した一次破砕処理によって発生する1.2mmの微粉を分離することにより、汚染コンクリートの放射能濃度を約2/3から1/2程度に低減し、発生する汚染微粉は処理したコンクリートの約25wt%になることが確認された。また、5mmの金網電極による一次処理、2.5mmの金網電極による二次処理、及び1.2mmの金網電極による三次処理を実施することにより、初期の放射能濃度を約1/4から1/3に低減させた骨材が得られ、その量、すなわち回収率は初期のコンクリート質量の約43wt%から47wt%になることが明らかとなった。 骨材の累積回収率と放射能の残存率においては相関関係があることが示唆され、処理対象となる汚染コンクリートの累積回収率と放射能残存率を明らかにすることにより、除染の程度や、減容率を制御可能であるとの知見が得られた。 また、パルスパワーによるコンクリートの除染では、放射性セシウムで汚染した粉塵を発生することもなくコンクリートを破砕でき、これまで実施した試験では使用した処理水の汚染も確認されてはいない。これらから破砕処理による汚染コンクリートの二次廃棄物の発生量の低減が期待でき、汚染コンクリートの汚染状態によって放射性廃棄物のレベル区分の高い廃棄物処分量が低減できるとともに、廃棄物の減容率の向上や再利用可能な骨材の回収など汚染コンクリートの処分コスト低減に向けて幅広く活用が可能であると考えられる。 一方、今回の試験に供試された放射性汚染コンクリートの使用骨材の品質は、実際の構造用コンクリート、特に原子力施設に利用されるコンクリートに使用される骨材の品質に比して低いとの疑いがある。したがって、実際に原子力施設に利用されているコンクリートの使用骨材と同等の品質をもつ骨材を特定し、今後の試験に反映させたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学においては、熊本地震による研究設備ならび機材の被災からその復旧までに多大な費用と時間を要している。 本研究においてもその影響を受け、実験の開始が当初予定よりも大幅に遅れた。また、汚染コンクリートの破砕分離処理の工程において、その作業および分析精度が従来に比べて劣る結果となり、その再検証を進めているところである。 さらに、放射能汚染コンクリートの試料採取については従来から困難を強いられており、その入手については今後の研究進捗において解決すべき大きな課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、放射能汚染コンクリートのパルスパワーによる破砕試験により本手法の適用性検討を進める。 推進方策としては、放射能汚染コンクリートの試料採取については、実際の汚染区域の自治体や関係団体に本研究の意義と目的について理解を求めることが必要である。そのため現地に赴き、協力を仰ぐ行動が必要である。 また、試験方法においては、骨材を原コンクリートより回収するためのパルスパワーによる破砕処理を、その放電量と電極配置においては再検討の余地がある。さらに、微粒分の回収、ならびに骨材ではないセメント硬化物の分離回収についてより精度が高く、効率的な方法を考案する必要がある。 以上により、骨材の累積回収率と放射能の残存率においては相関関係があることをより明確にする必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] パルスパワー技術によるコンクリート瓦礫の除染・減容処理に関する研究2017
Author(s)
坂本浩幸, 赤木洋介, 山田一夫, 舘幸男, 福田大祐, 石松宏一, 松田樹也, 齋藤希, 上村実也, 浪平隆男, 重石光弘
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Journal Title
日本原子力学会和文論文誌
Volume: 査読中
Pages: -
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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