2017 Fiscal Year Annual Research Report
面外曲げ応力を受ける疲労き裂を対象とした疲労損傷対策技術
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16H04396
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
舘石 和雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80227107)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 疲労 / 面外曲げ / 溶接継手 / 疲労き裂進展解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
面外曲げを受ける疲労き裂の進展挙動には,1)片面から発生したき裂が反対面まで貫通する場合,2)片面から発生したき裂が板内で停留する場合,3)片面から発生したき裂が停留し,反対面からき裂が発生する場合,の3種類があることが,実験的に確認されている.どのような条件でこれらが異なるのかを解明することは対策を考える上で重要である.そこで,解析的にこれらの進展挙動を再現し,境界条件との関係を見出すことにより,いずれの進展挙動をとるのかを予測する手法を開発した.具体的には,上記の3つの挙動は,き裂発生位置に作用している曲げモーメントとせん断力の比,および,き裂が発生した面と反対側の表面の応力範囲の大きさによる.これらを正確に反映した3次元き裂進展解析を行うことが直接的な手法であるが,3次元き裂進展解析は非常に手間がかかり,その実施は容易ではない.そこで,曲げモーメントとせん断応力の比のみを3次元有限要素解析によって求め,2次元モデルに対して,その比と同等になるように載荷位置を調整するという手法を新たに編み出し,それによってき裂進展解析を実施した.このような手法によっても実験で得られたき裂進展経路を正確に再現できることが確認できた.また,この手法により,裏側からき裂が発生する条件について,一応の提案を行うことができた.ただし,データ数は十分ではないことから,ひき続き検討を継続し,現在の提案でよいかをさらに確認していく必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疲労試験により,3種類の異なるき裂進展挙動を得ることができ,また新たに工夫を加えた応力解析およびき裂進展解析により,それを再現する手法を見出すことができた.これは当初の予定どおりであり,順調に進展しているといえる.関連する課題として面外曲げ応力の実測技術の開発を挙げているが,これについては,計測の困難さから,十分な検討が行えていない.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたることから,やり残した研究課題である,面外曲げ応力の実測技術の開発と,面外曲げを受ける疲労き裂に対する補修・補強方法の適用範囲の明確化を行う.また,ホットスポット応力の適用性についても検討を行う予定である.人員や設備に不備はないことから,順調に研究が推進できるものと予想している.
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