2017 Fiscal Year Annual Research Report
室内環境におけるSVOC類の挙動解析及び統合的暴露評価/リスク評価
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16H04468
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
篠原 直秀 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (50415692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 勲 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 主任研究官 (00454033)
鍵 直樹 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (20345383)
関根 嘉香 東海大学, 理学部, 教授 (50328100)
水越 厚史 近畿大学, 医学部, 助教 (50520318)
東 賢一 近畿大学, 医学部, 准教授 (80469246)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | SVOC / フタル酸 / 放散 / ハウスダスト / 吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
DEHPについて、検量線は、0.05~10 μg/mLの濃度範囲で高い直線性が確認された。エムポアディスク及びダストのブランクは0.092±0.0098 μg及び0.13±0.027 μgであった。3 mLで抽出した場合の定量限界は0.033 μg/mL及び0.091 μg/mLとなる。エムポアディスク及びダストへの添加回収率は、97%±6.3%及び95%±7.1%であった。 壁面等への吸着を低減するために、表面を電解研磨したステンレス製パッシブフラックスサンプラーを用いて試験を行った。放散建材と吸着材の間に設置するリングの厚さを変えて、複数の拡散距離での試験を行った。 放散量試験の結果、拡散距離が長いほど放散量は小さくなっていたが、拡散距離の逆数との相関は1日捕集以外ではあまり良くなかった。この点については、今後PFS壁面への吸着等について、詳細に検討が必要である。ハウスダストを塩ビシート状に乗せた場合には、気中への放散は非常に小さくなっていたが、経時的に増える傾向にあり、粒子へ吸着したDEHPの放散が増えることによると考えられる。ダストが存在している場合の粒子への移行速度は気中への放散速度と比べて2桁から3桁速かった。また、ダストへの移行速度に拡散距離の違いは影響していなかった。 一般住宅のハウスダスト中のDHEP濃度に、粒径依存性は見られなかった。2mm以下のハウスダスト中のDBP濃度は0.025μg/mg、DEHP濃度は1.1 μg/mgだった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験室での試験はおおむね順調に進捗している。一般住宅の分析が少し遅れているが、サンプリングは順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
一般住宅等の実環境でのハウスダストのサンプリングを行い、DEHP量を計測する。PFSを用いた試験結果やチャンバーでの試験結果、シミュレーションでの計算結果などと比較しつつ、室内での挙動を明らかにする。 また、それらの結果と有害性評価結果を合わせて、リスクの判定を行う。
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Research Products
(3 results)