2017 Fiscal Year Annual Research Report
円筒燃料内への軸及び接線方向酸化剤噴射が成す旋回乱流燃焼場の解明
Project/Area Number |
16H04594
|
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
嶋田 徹 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (10332149)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ハイブリッドロケット / 旋回乱流燃焼 / CFD解析 / POD解析 / 保安距離評価 / 可視化燃焼実験 / 宇宙旅行 |
Outline of Annual Research Achievements |
軸/接線方向の二系統酸化剤噴射が行われる固体燃料円筒流路内に生じる旋回乱流燃焼場の火炎・渦構造を研究する目的で、昨年度実施した可視化燃焼実験結果に対して基本画像解析、多重統計解析および適切な直交分解(POD)を燃焼室の前面と側面の両方から得た燃焼場の画像に適用し、接線方向対軸方向酸化剤流量比がハイブリッド燃焼場に及ぼす時間平均的及び周波数の特性を把握することに成功した。 同様の問題に対して、非定常旋回乱流燃焼(LES)解析を実施し、酸化剤の軸-旋回流量比が異なる2ケースを比較することによって、実験で得た特徴を再現することができることを確認することができた。また、これまで理解が不十分だった燃焼室内部速度場と燃料後退速度、火炎高さの関係について理解を深めることができた。また、本解析によって乱流熱伝導率の評価、低周波燃焼振動の発生メカニズムの評価が可能であることが示唆された。 既往研究の実験データに基づいて、固体燃料の破砕・粉塵化に着目したハイブリッド推進薬の爆発ハザード影響予測数理モデルを構築し、爆風に関する保安距離の評価方法を作成した。他実験と比較してこれらのモデルが良好に当てはまることを示した。 これらの成果をISTS, EUCASS, ICFD,宇宙科学連合講演会等において発表した。 第61回宇宙科学技術連合講演会「宇宙旅行 ~実現への課題と対策~」と題するオーガナイズドセッションにおいて、法律家、経済学、人文学、医学の専門家や、広告・芸能分野の方々による宇宙旅行に関わる発表がある中、ロケット推進系の専門家として宇宙旅行に適するロケットの検討結果を述べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
燃焼実験を可視化する手法を導入し、LES数値解析を実施できたこと、これらの比較を進められたことで当初のどおりに進捗しているのに加え、ハイブリッド推進薬の爆風予測のためのモデルづくりができたことは計画以上に進捗とも言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
軸及び接線方向噴射を用いてハイブリッドロケットの燃焼を能動的に制御する方法を確立するための研究を推進する。そのために必要となる制御則の検討、燃料ポートの拡大を実測するための方法の研究等を進める。そのためにミラノ工科大学で開発されたレジスタ型燃料後退速度センサを評価するための燃焼実験を推進する。また、制御則を用いた制御シミュレーションの実施を推進する。
|
Research Products
(20 results)