2016 Fiscal Year Annual Research Report
Organics/microbes exposure and micrometeoroide/microbes capture experiments in Tanpopo mission
Project/Area Number |
16H04823
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
山岸 明彦 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (50158086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 肇 福岡工業大学, 工学部, 教授 (00282301)
田端 誠 千葉大学, 大学院理学研究科, 特任研究員 (10573280)
小林 憲正 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (20183808)
横堀 伸一 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (40291702)
東出 真澄 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (70525899)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際宇宙ステーション曝露部 / 微生物 / 有機物 / 宇宙塵 / シリカエアロゲル / パンスペルミア仮説 / 生命の起原 / 宇宙デブリ |
Outline of Annual Research Achievements |
国際宇宙ステーション曝露部で 2015年5月に宇宙曝露した微生物、有機物標品、および微粒子捕集を行った捕集パネルが 2016年6月に予圧部に取り込まれ、8月に地上帰還、9月にたんぽぽチームに引き渡され、解析を開始した。 1)宇宙曝露した細菌試料の、生存率、突然変異率、DNA損傷に関する解析を行った。Deinococcus radioduransとDeinococcus aeriusは、宇宙空間でも、菌層の厚みが0.5mm以上あれば生存していた。これは、宇宙空間での微生物宇宙空間での移動の可能性を支持している。2)アミノ酸およびその前駆体の宇宙曝露試料の回収率の測定をHPLCにより行った。いずれの試料も1年間の曝露後に残存が認められた。地上予備実験(エキシマランプ使用)と比較して,グリシンがより多く回収され,逆にヒダントインの回収率が低かったが,これは宇宙での実効的な紫外線スペクトルと各試料のスペクトルとの相関等によると推定される。3)地球に帰還したエアロゲルより宇宙塵と思われる数個の粒子(エアロゲル片として4個)を取り出し、粒子の分析を開始した。4)捕集パネルのケース部分を検査し、パネル1枚に対し1個弱の衝突痕を発見できた。また、国際宇宙ステーションの3Dモデルを用いて、捕集パネルに対する微小デブリ・メテオロイドの衝突頻度を微小デブリフラックスモデルから予測することができた。5)宇宙曝露された8枚のシリカエアロゲルを宇宙科学研究所に整備したクリーンルームに搬入した。地上分析用のホルダーへのエアロゲルの移し替えを実施し、全てのエアロゲルが健全であることを確認した。初期分析において、エアロゲルの撮影画像から各エアロゲル内に複数の宇宙塵衝突痕を同定し、衝突粒子を含むと思われる衝突痕を摘出した。新規開発したエアロゲルが宇宙で機能したことを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際宇宙ステーション曝露部で 2015年5月に宇宙曝露した微生物、有機物標品、および微粒子捕集を行った捕集パネルが 2016年6月に予圧部に取り込まれ、8月に地上帰還、9月にたんぽぽチームに引き渡され、解析を開始した。 1)宇宙曝露した細菌試料の、生存率、突然変異率、DNA損傷に関する解析を行った。Deinococcus radioduransとDeinococcus aeriusは、宇宙空間でも、菌層の厚みが0.5mm以上あれば生存していた。また、宇宙曝露されたエアロゲルからの微粒子を含む衝突トラックの取り出しを完了した。 2)アミノ酸およびその前駆体の宇宙曝露試料の回収率の測定し、いずれの試料も1年間の曝露後に残存が認められた。 3)顕微分析のために、新たに正立顕微鏡と長焦点対物レンズを用意し、クリーンブース内にセッティングした。引き渡しを受けた最初のエアロゲルより、宇宙塵が含まれていると考えられる痕跡を探し、微粒子を含むエアロゲル小片を切り出し、それらの中から宇宙塵と思われる数個の粒子を取り出した。まず、それらの粒子の顕微分析を開始した。 4)捕集パネルケースのデジタルマイクロスコープ固定治具を製作し、衝突痕探索環境を整備した。1枚あたり一週間程度の探索期間を要する。2016年9月に帰還した捕集パネルのケース部分を探索し、発見した衝突痕の直径と体積の計測を完了した。SEM/EDXによる衝突痕分析を開始した。また、JAXAで開発したデブリ衝突リスク損傷ツールを用いて、微小デブリフラックスモデルによる捕集パネルに対する微小デブリ・メテオロイドの衝突頻度解析を完了した。 5)宇宙曝露したシリカエアロゲルの初期分析は完了。較正実験用のエアロゲルは、宇宙フライトエアロゲルと同様な手法で新たに製作することができた。ガス銃によるエアロゲルの地上較正実験を予定通り実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年帰還標品の詳細解析を続けると共に、2017年度の第2回帰還試料、2018年3回目帰還試料の解析を行う。 1)Deinococcus属真正細菌1回目帰還試料の、解析を引き続き進めると共に、2回目地上帰還試料、の解析を順次進める。また、宇宙曝露されたエアロゲルに捕集された、微粒子並びに微粒子が形成した衝突トラックについて、微生物検出実験を行う。 2)1回目帰還試料の、有機物安定性、曝露生成物の分析を引き続き進め,その結果の解釈に必要な地上実験を平行して行うと共に、2回目、3回目の地上帰還試料の分析を順次進める。以上をもとに,宇宙で生成したアミノ酸関連分子が宇宙塵により地球に届けられた可能性の検証を行う。 3)1回目帰還エアロゲル取り出し粒子の顕微分析を引き続き進めるとともに、アミノ酸分析を行う。1回目の宇宙面に暴露したエアロゲル、2回目のエアロゲルについて、宇宙塵が含まれていると考えられる痕跡を探し、微粒子を含むエアロゲル小片を切り出しを行い、宇宙塵の顕微分析・アミノ酸分析を行う。 3)1回目捕集パネルのケース部分について、デジタルマイクロスコープを使った衝突痕探索を行う。衝突痕の直径と体積から、衝突物の持つエネルギを推定し、微小デブリフラックスモデルで予測された結果との比較を行い、モデルの妥当性を評価する。SEM/EDXによる分析を進め、衝突物の成分分析結果からデブリの発生起源について考察する。 4)宇宙曝露初年度後半分3枚と同第二年度分12枚のシリカエアロゲルの初期分析を実施する。初年度前半分のエアロゲルの密度や疎水性の評価等の発展的な解析を進める。ガス銃による地上較正実験を継続し、衝突痕の物理解析を行うとともに、宇宙曝露エアロゲルの衝突痕も同様な解析を進める。両者を比較することで新規開発したエアロゲルの性能の評価を行う。
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Remarks |
「国際宇宙ステーション日本実験棟(ISS-JEM)曝露部第2期利用 ポート共有実験ミッション」「有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集(たんぽぽ)」のホームページ
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Research Products
(58 results)
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[Presentation] たんぽぽ計画有機物曝露実験の現況報告2017
Author(s)
小林憲正, 三田 肇, 癸生川陽子, 中川和道, 今井栄一, 矢野 創, 橋本 博文, 横堀 伸一, 山岸 明彦, たんぽぽRG
Organizer
第17回宇宙科学シンポジウム
Place of Presentation
相模原
Year and Date
2017-01-05 – 2017-01-06
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[Presentation] The Tanpopo Mission: Japan’s First Astrobiology Mission on the International Space Station to Examine Possible Interplanetary Migration of Microbes and Delivery of Bioorganic Compounds by Cosmic Dust,2016
Author(s)
K. Kobayashi, H. Hashimoto, N. Hayashi, M. Higashide, E. Imai, Y.Ishibashi, Y. Kawaguchi, H. Kawai, Y. Kebukawa, H. Mita, K. Nakagawa, K. Okudaira, S. Sasaki1, M. Tabata, K. Tomita-Yokotani, H. Yabuta, H. Yano, S. Yokobori, A. Yamagishi, Tanpopo Research Team
Organizer
11th Asian Microgravity Symposium
Place of Presentation
Sapporo
Year and Date
2016-10-28 – 2016-10-28
Int'l Joint Research
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[Presentation] Japanese Chemical Evolution Experiments in Low Earth Orbit: Current State of the Tanpopo Mission and Future Prospects2016
Author(s)
Kensei Kobayashi, Yoko Kebukawa, Hajime Mita, Yoshitaka Bessho, Kazumichi Nakagawa, Hiromi Shibata, Hajime Yano, Hirofumi Hashimoto, Yuko Kawaguchi, Shin-ichi Yokobori, Akihiko Yamagishi, and Tanpopo Research Group
Organizer
16th European Astrobiology Conference, Athens
Place of Presentation
Greece
Year and Date
2016-09-29 – 2016-09-29
Int'l Joint Research
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[Presentation] 地球低周回軌道におけるアストロバイオロジー実験:たんぽぽ計画現況報告を中心に2016
Author(s)
小林憲正,三田肇,癸生川陽子,藪田ひかる,奥平恭子,石橋之宏,中川和道,別所義隆,今井栄一,佐々木聰,矢野創,橋本博文,横堀伸一,山岸明彦,たんぽぽRG
Organizer
2016年度日本惑星科学会2016年秋季講演会
Place of Presentation
岡山
Year and Date
2016-09-12 – 2016-09-14
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[Presentation] Current status of Tanpopo: Astrobiology Exposure and Micrometeoroid Capture Experiments at the Exposure Facility of ISS-JEM.2016
Author(s)
Yamagishi, A., H. Hashimoto, H. Yano, S. Yokobori, E. Imai, M. Tabata, H. Kawai, K. Kobayashi, H. Mita, H. Yabuta, M. Higashide.
Organizer
日本地球惑星科学連合2016年大会
Place of Presentation
幕張
Year and Date
2016-05-22 – 2016-05-26
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[Presentation] valuation of organic matter degradation in interplanetary dust particles captured by aerogel: STXM-XANES analyses of the Murchison meteorite recovered from high speed impact experiments.2016
Author(s)
Kebukawa, Y., K. Okudaira, H. Yabuta, A. Nakato, D. Kilcoyne, S. Hasegawa, M. Tabata, K. Kobayashi, S. Yokobori, E. Imai, Y. Kawaguchi, H. Yano, A. Yamagishi.
Organizer
日本地球惑星科学連合2016年大会
Place of Presentation
幕張
Year and Date
2016-05-22 – 2016-05-26
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[Presentation] Formation of Super-complex Amino Acid Precursors in Interstellar Ice Analogues by Particles Irradiation2016
Author(s)
K. Kobayashi, T. Matsuda, S. Enomoto, M. Eto, Y. Kebukawa, H. Mita, S. Yoshida, H. Fukuda, K. Kondo, Y. Oguri,
Organizer
日本地球惑星科学連合2016年大会
Place of Presentation
幕張
Year and Date
2016-05-22 – 2016-05-26
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[Presentation] STXM-XANES analyses of Murchison meteorite powders captured by aerogel after hypervelocity impacts: A potential implication of organic matter degradation for micrometeoroid collection experiments2016
Author(s)
Y. Kebukawa, K. Okudaira, H. Yabuta, A. Nakato, D. Kilcoyne, S. Hasegawa, M. Tabata, K. Kobayshi, S. Yokobori, E. Imai, Y. Kawaguchi, H. Yano, A. Yamagishi
Organizer
日本地球惑星科学連合2016年大会
Place of Presentation
幕張
Year and Date
2016-05-22 – 2016-05-26
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[Presentation] THE FIRST YEAR OPERATION AND INITIAL SAMPLE ANALYSIS AND CURATION PREPARATION OF TANPOPO, THE JAPANESE ASTROBIOLOGY EXPERIMENT ONBOARD THE ISS-JEM-EF2016
Author(s)
H.. Yano, A. Yamagishi, H. Hashimoto, S. Yokobori, K. Kobayashi, Y. Kebukawa, H. Yabuta, H. Mita,M. Tabata, H. Kawai, M. Higashide, T. Ozawa, K. Okudaira, Y. Yaguchi, S. Sasaki, J. Imani, E. Imai,Y. Kawaguchi, Y. Uchihori, S. Kodaira, Y. Ishibashi and the Tanpopo Project Team
Organizer
The 47th Lunar and Planetary Science Conference
Place of Presentation
The Woodlands Waterway Marriott Hotel and Convention Center
Year and Date
2016-05-22 – 2016-05-22
Int'l Joint Research
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