2016 Fiscal Year Annual Research Report
Intraspecific differentiation reinforced by flowering time differentiation as local adaptation caused by the genotype polymorphisms
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16H04831
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬戸口 浩彰 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (70206647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 正代司 基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 教授 (30260508)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 種内分化 / 生殖隔離 / 開花 / 開花関連遺伝子 / 日長 / 春化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、南北に長く延びている日本列島の幅広い緯度に沿って、同一種が地域環境に適応して開花時期を最適化している植物種を2種選んで研究を進めている。地域に適応した開花特性を獲得した地域集団は、例え隣接して生育したとしても開花時期が異なるために交配前隔離が生じて、実質的に種内分化が生じる。この実態と機構を調べるために、マメ科のミヤコグサとアブラナ科のハマダイコンを昨年度から引き続き研究した。 ミヤコグサでは、昨年度に引き続きゲノムワイド関連解析の改善を行った。これはデンマークのオーフス大学、東北大学、基生研の研究グループとの共同研究体制で進めた。その結果、そり信頼性の高い解析結果を得ることが出来て、開花時期制御に関わる候補遺伝子を推定することが出来た。また、ミヤコグサではLjFTの存在が明確になっていないため、早咲き系統を用いてRNA-seqを行い、網羅的に遺伝子発現解析を行った。これにより、従来に報告されてきたLjFTの発現はとても低いことが明らかになった。現在、本当に機能している遺伝子座を特定するべく解析中である。また、共同研究者である基生研の川口教授のもとで、早咲き個体のLjEMF2とLjE1を遅咲き個体に、およびその逆方向の形質転換体を作成した。今年度はT2世代の栽培まで進めることができており、実験は順調に推移している。 ハマダイコンの開花には、とくに低温を経験する春化の要求性が、生育地毎に大きく異なっていることが従来の研究で判ってきた。日本列島では南西諸島とそれ以北に二分されており、その分岐がLGMに起きたこと、常に黒潮の流れに乗って南から北方向へ遺伝子流動が起きていることが判った。さらに春化に関する遺伝子RsFLCの発現をRsCOやRsFTとともにRT-PCRで解析して、春化を要求しない南系統ではFLCとCOの両方が発現して居る状態にあることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミヤコグサとハマダイコンともに、開花時期を制御する候補遺伝子が具体的に特定され始めており、それを ①組み換え体の作成やRT-PCRのような直接的な手法で表現型に与える効果や発現量を測定する手法 ならびに ②GWASやRNA-seqのように網羅的に探索する手法 の両方のアプローチが順調に進んでいる。次年度早々には、論文化して公表できる段階に届いていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ミヤコグサでは、現在に解析しているGWASに入力している系統別開花データが、愛知県岡崎市(基礎生物学研究所)の温室で一斉に栽培したデータである。これをもっと北(仙台)と南(沖縄)で共通圃場実験を行うことによって、系統毎の開花データをさらに充実したものにすることを始めている。これによって、データの向上をさらに期待している。また、組み換え体の表現型に基づいてEMF2とE1の遺伝子型が開花時期に及ぼす効果について検証を続ける。ハマダイコンでは、RNA-seqとその解析を進めることによって、FLC以外の春化感受性に関する未知の関与遺伝子を特定する。
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Research Products
(10 results)