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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Identification and functional analysis of genes important for the activity of bifidobacteria in the intestine harboring intestinal microbiota

Research Project

Project/Area Number 16H04893
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

吹谷 智  北海道大学, 農学研究院, 講師 (10370157)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小椋 義俊  九州大学, 医学研究院, 准教授 (40363585)
園山 慶  北海道大学, 農学研究院, 准教授 (90241364)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsビフィズス菌 / 腸内活動 / INSeq法 / R-IVET / 応用微生物
Outline of Annual Research Achievements

1. ヒト由来ビフィズス菌のマウス腸内定着系の確立
昨年度行った培養試験により,ヒト由来ビフィズス菌Bifidobacterium longum 105-A(以下105-A株)の増殖を促進する効果を示した糖類(ラフィノース,1-ケストースおよびラクトース)を添加した食餌をマウスに摂取させ,105-A株を経口投与した.糞便中の生菌数をモニタリングした結果,ラフィノースまたは1-ケストースを6%で含有する食餌を与えることにより,105-A株は10の6乗 cfu/g糞便以上の菌数で,2週間腸内で維持された.投与から2週間後の盲腸内細菌叢をメタ16S解析により調べたところ,1-ケストース6%添加食摂取群の菌叢はコントロール食群と比較して門レベルの大きな変化は観察されなかった.一方ラフィノース6%添加食摂取群の菌叢では,内在性のビフィズス菌が顕著に増加した個体が観察された.これらの結果から,1-ケストース6%添加食が105-A株のマウス腸内への定着に最も有効であると考えられた.

2. INSeq法によるトランスポゾン変異株ライブラリーの構築と投与
105-A株へのトランスポゾン変異導入試験を繰り返し行い,平成28年度は14,000株だったトランスポゾン変異株ライブラリーを計48,000株に拡張した.このライブラリーについてINSeq解析を行い,変異部位を同定し,変異株集団の構成を評価したところ,105-A株の全遺伝子の76.2%に変異が導入されていることが明らかになった.この結果から,網羅的に変異が導入されたライブラリーが構築できたと判断した.得られた変異株ライブラリーについて,栄養培地および最少培地での培養および無菌マウスへの投与を行った.栄養培地での培養サンプルについてINSeq解析を行った結果,生育に重要な役割を果たしていると考えられる49個の遺伝子を同定することが出来た.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成29年度は上記の2つの研究を進めた.1.については,ヒト由来ビフィズス菌のマウス腸内への定着を可能にするオリゴ糖2種を同定し,実際に目標としていた菌数を上回る値でのビフィズス菌の腸内定着が可能な飼育試験系を構築することが出来た.2.については,105-A株の全遺伝子の76.2%に変異が導入された変異株のライブラリーを構築した.ゲノム中の生育必須遺伝子の割合を考えると,十分に網羅的に変異が導入されたライブラリーを構築できたと考えられる.また,in vitroでの培養試験およびINSeq解析を行い,さらに無菌マウスへの投与試験も行うことができ,計画通りまたはそれ以上の進捗で進めることが出来た.一方,計画していたR-IVETの試験については,1の系の確立をしてから検証することが妥当であると判断し,本年度は1の系の確立を優先して進めた.このように個々の実験の進捗には差異があるものの,研究全体としては,本年度は概ね順調に推移していると判断した.

Strategy for Future Research Activity

1. R-IVET法による腸管特異的に発現する遺伝子の同定
昨年度までの研究で確立したヒト由来ビフィズス菌Bifidobacterium longum 105-A株の通常飼育マウス腸内定着系を用いて, R-IVET法により腸管特異的に発現する遺伝子の同定を行う.具体的には,定着可能条件で飼育したマウスに,Cre発現ベクターを用いたビフィズス菌ゲノムライブラリーを投与し,R-IVET法により腸内特異的な発現を示すと考えられる遺伝子プロモーターを持つクローンを選抜する.得られたクローンについて,in vitroでの培養および再度マウスに投与することにより,染色体上の薬剤耐性遺伝子の脱落率を評価し,腸管特異的に発現する遺伝子かどうかを検証する.本手法による特異的発現遺伝子の検出が困難な場合は,腸内に定着したビフィズス菌からRNAを抽出し,RNA-Seqによる遺伝子発現解析を行うことを検討する.

2. INSeq法によるビフィズス菌の腸内活動に重要な遺伝子の同定
昨年度までに構築された約48,000株のB. longum 105-A株トランスポゾン変異株ライブラリーを用いて,腸内定着可能な通常飼育マウスおよび無菌マウスへの投与試験を行う.得られた盲腸内容物サンプルからDNAを抽出し,次世代シークエンサーを用いたINSeq解析を行う.得られた各変異株の増減データを,昨年度行ったin vitro培養時のINSeq解析のデータと比較する.これにより,通常飼育マウスおよび無菌マウスの腸内で特異的に菌数が減少した変異株を同定する.1で選抜された遺伝子のデータとの照合を行い,1と2の両方で同定された遺伝子を「マウス腸内でのビフィズス菌の腸内活動に重要な遺伝子として同定する.

  • Research Products

    (5 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) Presentation (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 腸内細菌叢の機能理解に向けて:ビフィズス菌における遺伝子操作系の開発2017

    • Author(s)
      吹谷 智,横田 篤
    • Journal Title

      化学と生物

      Volume: 55 Pages: 637-643

    • DOI

      10.1271/kagakutoseibutsu.55.637

  • [Presentation] トランスポゾン変異株集団を用いたビフィズス菌の腸内生存戦略の解明手法の確立2018

    • Author(s)
      中島 森,中川路 伸吾,阪中 幹祥,小椋 義俊,林 哲也,横田 篤,吹谷 智
    • Organizer
      第12回日本ゲノム微生物学会年会
  • [Presentation] 消化管における生存と定着に寄与するビフィズス菌遺伝子の網羅的同定に向けたINSeq法の確立2017

    • Author(s)
      中島 森,中川路 伸吾,阪中 幹祥,小椋 義俊,林 哲也,横田 篤,吹谷 智
    • Organizer
      第69回日本生物工学会大会
  • [Presentation] 腸内細菌叢存在下での遺伝子機能解析を志向したヒト由来ビフィズス菌 Bifidobacterium longum 105-A の通常飼育マウス腸内での長期定着飼育試験系の確立2017

    • Author(s)
      川瀬 陽平,嶋田 みな,園山 慶,横田 篤,吹谷 智
    • Organizer
      平成29年度日本農芸化学会北海道支部第2回講演会
  • [Book] The Bifidobacteria and Related Organisms2017

    • Author(s)
      Satoru Fukiya, Mikiyasu Sakanaka, Atsushi Yokota
    • Total Pages
      324
    • Publisher
      Academic Press
    • ISBN
      9780128050606

URL: 

Published: 2018-12-17  

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