2017 Fiscal Year Annual Research Report
森林放射性セシウム動態データベースの構築とマルチモデルによる将来予測
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16H04945
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
橋本 昌司 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90414490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 俊也 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00575277)
仁科 一哉 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 主任研究員 (60637776)
大橋 伸太 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (70754315)
金子 真司 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353647)
小松 雅史 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90737313)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / 森林 / モデル / 広域評価 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、森林内の放射性セシウム動態のデータベースを構築すること、またそのデータを用いてマルチモデル(複数モデル)による将来予測を行うことを目的としている。 今年度は、昨年度構築したデータベースのプロトタイプを改良しながら、データ入力を行った。Web of ScienceやJ-Stageを活用しながら、英語・日本語の学術誌から論文を収集し、データを抽出してデータ入力を行った。加えて、林野庁の調査と福島県によるモニタリングデータも入手し、データ入力を行った。現時点でレコード数は約10000となった。データベースからスギの葉および表層リターに関してデータを抽出し、初期の総沈着量で正規化した濃度をサンプリング年でプロットし時間変化を調べたところ、葉・リターともに初期の総沈着量によらず時間とともに確実に指数関数的に濃度が低減していた。しかし、事故当時に比べて非常に小さい値に収束している葉の濃度に比べ、リターの濃度は4分の1程度のところで定常しているように見受けられた。データベース構築の進捗状況を、国際原子力機関IAEAのMODAIRAIIプロジェクトの第2回専門家会合(ウィーンのIAEA本部で開催)、およびそのワーキンググループ4: Fukushima data groupの中間会合(筑波大学で開催)で報告し、海外の専門家のアドバイスを受けた。また、データベースに収録されている森林総合研究所のモニタリングデータと福島県のモニタリングデータを比較した。さらに国立環境研究所において開発されたFoRothCsモデルのパラメータを、森林総合研究所が行っているモニタリングデータを用いて決定する方法に関して、観測値を直に用いるのではなく、データに指数関数を適用し指数関数の定数を比較する方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベース構築及びモデル化は順調に進展している。データベースは現時点で10000レコードを超えるデータを収集することができた。またモデル化も進んでおり、モデル論文が1本投稿中である。また国際会議で発表を毎年行っている。これらのことから、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
データベース構築およびモデル化はおおむね順調に進展しているので、このまま研究を推進する。データベースは今後、収録データを精査し、公開へ向けて準備を行う。またマルチモデル(複数モデル)での予測を行っていく。
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Research Products
(9 results)