2016 Fiscal Year Annual Research Report
気道上皮細胞特異的なインフルエンザ感染に対する炎症応答
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16H05192
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川口 敦史 筑波大学, 医学医療系, 助教 (90532060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏目 徹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (00357683)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / 炎症応答 / 気道上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インフルエンザウイルス感染に応答した気道上皮細胞での(1)インフラマソームによるIL-1betaの発現制御機構、および(2)NS1による炎症性サイトカインmRNAの転写後制御機構を明らかにすることである。平成28年度では、LC-MSを用いたプロテオミクス解析とshRNAレンチウイルスライブラリーを用いたハイコンテントスクリーニングよる網羅的な解析により、気道上皮細胞特異的なインフラマソームのレセプター(Epithelium specific inflammasome receptor;ESIR)の同定に成功した。現在、変異体を用いた細胞生物学的な解析と、ノックアウトマウスの作出を進めているところである。一方、NS1に結合する気道上皮細胞に特異的な宿主因子として新規に核膜孔タンパク質(Epithelium specific NS1 binding protein;ESNBP-1)を同定し、ESNBP-1依存的にNS1がTNF-alpha mRNA量を制御することを明らかにした。ESNBP-1の結合分子として、複数の分子を同定し、そのうちの一つがTNF-alpha mRNAのネガティブフィードバック制御に関わる分子であることを明らかにした。従って、NS1はESNBP-1と結合することで、ネガティブフィードバック制御機構を強制的に活性化し、TNF-alpha mRNA量を抑制していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
我々が独自に同定した宿主因子とウイルス因子の相互作用機構の解析を進め、順調な結果が得られている。また、ESIR遺伝子改変マウスも構築でき、平成29年度中にはin vivoでの機能解析にも進む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子改変マウスもしくはウイルス変異株を用いて、in vivoでの感染実験を進め、培養細胞系で得られた結果を個体レベルで証明する予定である。
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