2017 Fiscal Year Annual Research Report
Accuracy improvement for dose and beam-quality estimation of irradiation field for boron neutron capture therapy using dual phantom technique
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16H05237
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻井 良憲 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (20273534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 夏子 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (00582131)
高田 卓志 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (60444478)
田中 浩基 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (70391274)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 硼素中性子捕捉療法(BNCT) / 高速中性子 / 生物学的効果比 / 粒子線治療 / 放射線計測 / 品質保証/品質管理(QA/QC) / 医学物理 / 放射線工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度早々にファントム実験を開始する予定だったが、本研究に使用予定であった京都大学研究炉(KUR)の重水中性子照射設備の照射室内に不測の故障が生じたため、当該装置の修理・調整が必要となり、液体ファントムに関する実験の開始が4ヶ月間ほど遅延した。そこで、平成29年度の予算の一部を平成30年度に繰り越し、平成29年度~30年度にかけて研究を進めることとした。 まず、平成28年度の材質に関する最適化検討結果を参考に、二重ファントムの作成を行った。「液体」ファントムと「固体」ファントムの二種類を作成した。「液体」二重ファントムについては、20cm立方のアクリル製容器に、純水あるいは10重量パーセントの6LiOH水溶液を満たしたものとした。「固体」二重ファントムについては、20cm立方の低密度ポリエチレンと30重量パーセントの6LiF入りポリエチレン製のものとした。 平成29年度のKUR運転の再開は7月末の予定であったが1ヶ月遅れて8月末となった。上述のように、運転再開の3週間後に重水中性子照射設備照射室に不測の故障が生じたため、本研究に関する開始が4ヶ月間遅延した。研究再開後は、まず平成28年度に実施できなかった純水ファントムのみを用いる従来の手法による重水中性子照射設備の物理特性の再評価実験を行った。再評価実験と並行して、6LiOH水溶液ファントムを作成した。 二重ファントム(純水ファントムと6LiOH水溶液ファントムのペア)が完成した後、二重ファントムに関する物理特性評価実験を行った。基準熱中性子照射モード、基準混合中性子照射モード、基準熱外中性子照射モードの3種類の照射モードについて評価実験を行った。物理特性評価実験においては、中性子束、中性子線量率、γ線線量率に関するファントム内中心軸上の深部方向分布を測定した。中性子束は放射化箔法で、γ線線量率はTLDを用いて測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に使用するKUR重水中性子照射設備のたびたびのトラブルにより、平成28および29年度の研究の進捗は1年以上遅れ気味であった。上述のように、平成29年度の予算の一部を平成30年度に繰り越して、平成29年度は早々に液体ファントムに関する実験を実施する予定だったが、不測の故障が生じたため、平成29年度および平成30年度合わせて研究を進めたことにより、ほとんどの遅れは挽回できたと考えている。このため、進捗状況は区分(2)と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、液体二重ファントムおよび固体二重ファントムの両方について、生物学的効果比(RBE)の評価実験に重点を置く予定である。
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