2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H05312
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森 建文 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (40375001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恵美子 東北大学, 薬学研究科, 助教 (20466543)
伊藤 貞嘉 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40271613)
大崎 雄介 東北大学, 医学系研究科, 助教 (40509212)
矢花 郁子 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (60778596)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腎うっ血 / V-ATPase / TGF-β / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットを麻酔し、呼吸管理下に左腎静脈にシルバーマンクリップをかけ腎うっ血モデルを作成した。急性実験においては腎うっ血により間質圧の上昇とともに腎髄質血流は低下し、クレアチニン・クリアランスおよび尿量の低下が観察された。さらに慢性実験において9-14日間飼育後に腎臓を取り出し、腎組織を評価した。マッソン染色により腎うっ血のある腎臓では糸球体の腫大があり、尿細管障害と腎間質の線維化が観察された。これらの線維化はαsmooth muscle actinの免疫染色によっても確認された。また、8-OHdG、プロレニン受容体、V-ATPase、HIF-1α、オステオポンチンの抗体により免疫染色した。 マウス集合管細胞およびラット糸球体上皮細胞を培養し、1および10ng/mlのTGF-β1を添加し、24時間観察すると免疫染色により細胞周囲にフィブロネクチン陽性の線維化が観察された。V-ATPaseを抑制するバフィロマイシンA1を10-100nM投与するとTGF-β1による線維化は抑制された。バフィロマイシンA1による細胞増殖能をWST-1WST-1 Cell Proliferation Assayで評価した所、バフィロマイシンA1 100nM以上では細胞増殖能の抑制傾向がみられた。Lysotracher Redを用いてV-ATPase活性を検討した所、TGF-β1刺激により、V-ATPaseの活性亢進が観察され、バフィロマイシンA1 10nMで抑制された。また、αsmooth muscle actin mRNAはTGF-β1刺激により増加し、バフィロマイシンA1の存在下ではTGF-β1刺激増加しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットおよび細胞実験は東北大学の協力により順調に進展進展している。東北医科薬科大学における細胞および生化学実験のセットアップに時間を要したが、おおむね実験が可能になった。マウス集合管細胞の他、ラット糸球体上皮細胞に関して酸性オルガネラ輸送システムを検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットの腎うっ血モデルの腎免疫染色による免疫免疫染色を継続し、画像解析と統計処理を行う。これにより、腎うっ血における細胞内酸性オルガネラの役割について明らかにしていく。さらに糸球体上皮や集合管・尿細管細胞培養を推進し、酸性オルガネラ輸送システムによる細胞線維化機序を解明する。
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Research Products
(7 results)