2017 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインストームを伴うインフルエンザ感染重症化機序の解明と効果的な治療戦略
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16H05348
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木戸 博 徳島大学, 先端酵素学研究所(デザイン), 特任教授 (50144978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 悦久 徳島大学, 先端酵素学研究所(デザイン), 特任助教 (10380065)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 感染症 / インフルエンザ / サイトカイン / イムノモジュレーター / 多臓器不全 / 血管内皮細胞 / MMP-9 / MCP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に続いて、インフルエンザ感染重症化機序におけるサイトカインを中心とした体内因子の役割の解明に加え、これらのデータを基盤にした効果的な治療戦略の検索として、イムノモジュレーターの効果を検証した。現在使用可能なイムノモジュレーターの中から平成29年度は、マクロライドの効果と、抗インフルエンザ抗体の産生能に影響を与える乳酸菌についての検討を実施した。我々はこれまでに、14員環マクロライドのクラリスロマイシン(CM)のイムノモジュレーター作用として、抗インフルエンザ薬のタミフル服用による獲得免疫機能の低下と翌年の再感染率の増加を、CAMが抑制することを報告してきた。本年の研究ではこれに加えて、CAMは感染局所で産生されるケモカインのmonocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1)の発現を抑制して、浸潤する炎症性細胞が分泌するmatrix metalloproteinase-9 (MMP-9)量を低下させ、結果として血管内皮細胞の透過性亢進に係わる「インフルエンザーサイトカインープロテアーゼ」サイクルを抑制し、多臓器不全の発症を抑制することを明らかにすることができた。また、腸内細菌叢は体内の免疫系に影響を与えることが報告されているが、マウスに乳酸菌を服用させることで、抗インフルエンザ薬のタミフルの服用によって起きる獲得免疫機能の低下を回復させる作用のあることが明らかになった。これまでに解析してきたインフルエンザ感染重症化に伴う体内代謝破綻改善薬に加え、これらのイムノモジュレーターの作用を評価して、インフルエンザ感染重症化の効果的な治療戦略を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インフルエンザ感染重症化機序におけるサイトカインを中心とした昨年の体内因子の役割の解明に加え、本年度の研究ではこれらのデータを基盤に、さらに効果的な治療戦略の検索としてイムノモジュレーターの効果を検証して、ポジティブな成果を得ている。このように、「サイトカインストームを伴うインフルエンザ感染重症化機序の解明と効果的な治療戦略」課題を、多面的に解析・検証して、最終目標とする効果的な治療戦略の構築に迫る研究は評価に値する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更は無い。最終年度として本研究の課題である、「サイトカインストームを伴うインフルエンザ感染重症化機序の解明と効果的な治療戦略」の課題達成に向かって、多面的に解析・検証して、最終目標とする効果的な治療戦略の構築に迫る。より具体的には、培養細胞レベルでの検証から、モデル動物レベルでの検証を重点的に実施して、インフルエンザ感染重症化の効果的な治療戦略を提案する。
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Research Products
(9 results)