2016 Fiscal Year Annual Research Report
前臨床サル移植モデルによる革新的膵島・腎移植法を用いた糖尿病性腎症根治療法の確立
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16H05403
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山田 和彦 鹿児島大学, 医用ミニブタ・先端医療開発研究センター, 教授 (40241103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 寿史 鹿児島大学, 医用ミニブタ・先端医療開発研究センター, 准教授 (90452333)
清水 章 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00256942)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 免疫寛容 / 膵島移植 / 大動物 / 腎臓移植 / 骨髄移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、streptozotocin(STZ) 80mg/kg静注によりインシュリン依存性糖尿病(IDDM)を誘導したサル3頭を用いて、我々の開発したcomposite Islet-Kidney移植(IK TX)とドナーhematopoietic stem cell(HSC)を併用した同種移植を行った。免疫抑制剤として、T 細胞除去抗体をHSC移植前に投与し、シクロスポリン(CyA)を45日投与を行った。HCS 移植後20-22日にIK移植を行った。ドナー細胞キメリズムは、IK 移植時には1%以下と低値であったものの、移植されたIKグラフトは生着し、2例は200日を越える正常腎機能を呈した。一例は移植後2ヶ月時に腸捻転を生じ犠牲死とした。血糖に関しては、STZ投与により移植後のインシュリン投与を必要としたが、IK移植後その投与量は著しく減少した。2例に関しては、一例はCyA投与期間中に2U/day、その後1U/dayから無投与、もう一例はインシュリン投与不要であった。残りの一症例は、移植後高濃度CyAの膵島毒性と考えられる高血糖を1例において認め、IK移植後CyA投与期間に5U/dayのインシュリン投与を必要としたが、CyAの中止に伴いインシュリン投与量は漸減し、移植100日以降はほぼ1U/dayとなった。これらの結果は、免疫抑制中止後もIK機能の維持が示され、免疫寛容の誘導が可能であることを示したが、CyA投与期間中の高血糖に対する免疫抑制導入療法の考慮が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、当初の実験計画に記載した内容について、研究実績の概要に記載したようにほぼ計画とおりに実験を遂行し、閣下を得ることができた、平成29年度以降も計画書に従い、円滑な県有を進めることが可能と考えられるため、おおむね順調に研究が進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は計画書に従い順調に研究が推進している。H29年度も当初の研究計画に従い研究を進めていく方針である。
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