2017 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト多能性幹細胞からのゼノフリー間葉系幹細胞誘導法と維持培養法の開発
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16H05447
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池谷 真 京都大学, iPS細胞研究所, 准教授 (20442923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALEV CANTAS 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (30726477)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に実施した研究成果については下記の通りである。 ①神経堤細胞研究:(A)誘導過程の分子作用機序の解明を目的とした網羅的遺伝子発現解析と、(B) 化合物ライブラリースクリーニングによる維持培養法の開発を行った。(A)では誘導過程の各段階のマイクロアレイの結果をパスウェイ解析等により調べ、特に誘導過程で重要な役割を担っているシグナル分子の同定を試みたが、解析からは候補分子は得られなかった。また(B)では小規模のスクリーニングにより維持培養可能な培地条件の同定を試みたが、有効な条件を見出だすことはできなかった。 ②神経細胞研究:今年度はマーカーノックインiPS細胞の作製を行い、SOX1遺伝子座にGFPをノックインしたSOX1-GFP iPS細胞の作製に成功した。この細胞を、昨年開発した新しい分化誘導方法にて分化誘導したところ、SOX1陽性の神経幹細胞が高効率で誘導されることが判明した。現在はRT-qPCR、網羅的遺伝子発現解析、抗体染色等によりマーカー発現を確認しつつ、分化誘導実験を行って神経幹細胞としての特性解析を行っている。 ③中胚葉細胞研究:(A)誘導過程の分子作用機序の解明を目的とした網羅的遺伝子発現解析と、(B) 化合物ライブラリースクリーニングによる維持培養法の開発を行った。(A)では誘導過程の各段階のマイクロアレイの結果をパスウェイ解析等により調べ、特に誘導過程で重要な役割を担っているシグナル分子の同定を試みたが、解析からは候補分子は得られなかった。また(B)では小規模のスクリーニングにより維持培養可能な培地条件の同定を試みたが、有効な条件を見出だすことはできなかった。 ④間葉系幹細胞研究:神経堤細胞および中胚葉細胞から間葉系幹細胞への誘導、および分化能の検証を行い、間葉系幹細胞としての証明を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経堤細胞と中胚葉細胞についての維持培養条件の同定を試みているが、実施した規模の化合物スクリーニングでは候補となるような培養条件は得られなかった。一方、神経細胞については平成30年度実施予定であった新たな維持培養条件を見出すことに成功し、現在特性解析を行っている。よって一部の計画に遅れが生じていることから、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
神経堤細胞と中胚葉細胞については、当初の計画では平成30年度には同定された条件の機序の解析を実施する予定であったが、計画を変更し、平成30年度も同条件の同定を試みる。神経細胞については予定されていなかったが特性解析へと進む。
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Research Products
(5 results)