2018 Fiscal Year Annual Research Report
看護と工学の協働による次世代型助産実践能力育成プログラムの開発
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16H05584
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
定方 美恵子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00179532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 悦 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20169410)
石田 真由美 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40361894)
田邊 裕治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60143020)
小林 公一 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70296317)
坂本 信 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80215657)
有森 直子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90218975)
関島 香代子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90323972)
西方 真弓 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90405051)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 助産実践能力 / アドバンス助産師 / 新人助産師 / 視線解析 / 臨床判断 / PBL |
Outline of Annual Research Achievements |
アドバンス助産師の実践知・スキルの特性について注視と観察の意図について、16名のデータを分析した。場面は「子宮収縮薬(点滴)による陣痛強化中の産婦において胎児心音に異常が出現した状況」とし、8枚の画像を陣痛間欠時の1場面目、陣痛開始時の2場面目、胎児心音が低下する3~5場面目、胎児心音が回復しない6~8場面目に分け解析した。分娩時に胎児心音に異常が出現した状況において、アドバンス助産師は産婦の顔や表情の観察を重視しながらも、手の動きや産婦の腹部からの情報を収集し、モニター評価をしながら状況の全体把握と解釈を進めていた。特に胎児心音が低下し始める状況では事実確認とともに原因や関連要因を推論しながら酸素や蘇生に必要な物品を確認し、次いで胎児心音が回復しない状況に至っては人員確保や帝王切開の準備状況確認などを想定しながら、不測の事態に備え五感を働かせて意図的に観察を継続していることがわかった。緊急判断が求められる場面において、状況の把握・解釈と看護介入は常に重なりながら同時進行で進めていることが推察された。 これらの特性が明らかになったことをふまえて教材作成について検討した。アドバンス助産師が見る観察の順序性が現有のソフトでは抽出できないことから、新たに「視線の観察の順序性解析ソフト」を発注し、視線の動きについて、4つの観察場所(顔、胴体、点滴、モニター)のデータを解析し、新人助産師がビジュアル化された実践知として理解しやすい視線の動きを観察教材として、画像に落とし込むための解析を進めた。以上、教材作成の準備を十分に確保し、より質の高い教材作成に取り組んだ。そのため、新人助産師への教育プログラムの実施を次年度に動かすこととしている。 新人助産師研修に用いるPBLを基盤とした教育プログラム開発を段階的に解析し、臨床判断の手がかりを掴むことができる教育プログラムを最終年度で完成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教材の重要なポイントである視線の順序性の解析を加えたことによるため、遅くはなっているが良質な教材作成に取り組む時間として、必要であった。教育プログラムの実施は最終年度に行うことになったが、おおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
新人助産師研修に用いるPBLを基盤とした教育プログラム開発を段階的に解析し、臨床判断の手がかりを掴むことができる教育プログラムを最終年度で完成する。
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