2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H05716
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
大内 田鶴子 江戸川大学, 社会学部, 教授 (80327238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉野 和志 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (00197568)
林 香織 江戸川大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50458676)
鰺坂 学 同志社大学, 社会学部, 教授 (60135960)
廣田 有里 江戸川大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60453479)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 近隣組織 / コミュニティー / Neighborhood association / Parish council / 自治会・町内会 / 最小議会 / 地方自治制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域社会のグローバル化が進む中、開放的で安定的・統合的な近隣組織のモデルを見出すことが本研究の目的である。このため近隣住民のネットワークを国際的視野から比較研究し、日本の近隣組織(町内会)を継承して発展させるための論点を探る。 本調査では、まだ組織の形態を整えていない近隣住民のネットワークを含め、近隣組織を市民生活環境の維持と改善のための基盤、そこから市民としての政治参加、行政提案につなげていく基地として位置づけ調査研究する方法をとった。 2016年度は初年度であり調査対象地の開拓と調整に時間を要した。実査はアメリカシアトル市のディストリクトカウンシルとネイバーフッド組織、イギリス、ケンブリッジシャー、マーチタウンカウンシルとリバプールの調査、イギリスNALCの解説しているパリッシュ会議に関する資料収集、クイーンズパーク・コミュニティカウンシルの視察を行った。 これら近隣組織の日常的な活動実態を、ⅰ審議機能、ⅱ執行機能、ⅲ司法機能、ⅳ自治体との関係、ⅴ法令の規定、ⅵ近隣組織規約の収集、ⅶ近隣住民の多様性の程度、開放的か、閉鎖的か、ⅷコミュニケーションの手段、ⅸ連携している組織、の各要素についてアンケート票に書き入れていただき、ヒアリングを行い、ホームページで調べた。 次年度はこの調査枠組みに従って調査対象の数を増やし、より多様な実態を把握したり一般化できるように研究を積み重ね、日本の地域近隣組織に参考になる知見を整理する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イギリスにおいては、元ケンブリッジ図書館日本部長の小山騰氏が在住するケンブリッジシャーのタウンの紹介を受け、通訳も兼ねてくれたため想像以上に容易に関係者とコンタクトが取れ、スムーズに調査することができた。またロンドンのウェストミンスター区クインズパークはロンドン市内で初めて自治体化したコミュニティ・カウンシルで、関係者とコンタクトを取ることができた。ロンドン市内についても2017年度の実査が順調に開始できそうである。 アメリカは元シアトル市のコミュニティ部長Jim Diers氏のコーディネート力と、ベルビュー在住の日本人伊藤氏のお陰で通訳、送迎を確保できたことで、驚くほどの実査の成果をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度から多くの資料を収集できたので、整理・分析に時間が必要になっている。 調査研究申請時に設定してある調査枠組みを2017年度も継続するとともに、2016年度に選られた成果から、さらに研究すべき論点や調査内容を深めていく。 2018年度に研究集会を開催できるどうか、検討して今年度半ばには可否を結論する予定。
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Research Products
(4 results)