2016 Fiscal Year Annual Research Report
降雨条件の異なる熱帯モンスーン環境比較から解き明かす魚類の測季システム
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16H05796
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
竹村 明洋 琉球大学, 理学部, 教授 (40222103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 悠記 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (00754904)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 熱帯モンスーン気候 / アイゴ / 雨季 / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
モンスーンの影響を受ける地域の季節は雨季と乾季に大別される。この地域の浅海域に生息する魚類の多くは雨季・乾季に対応した季節性繁殖を行っているため、降雨に関係した水域環境変化を繁殖活動の時刻あわせに利用していると考えられる。本研究では、熱帯モンスーン気候帯で繁栄している魚類が繁殖活動の同期に利用している環境要因を特定し、この地域の繁殖活動の時刻あわせの成立機構を明らかにすることを目的とした。ベトナム中部に設置した調査地点における海況変化と魚類の繁殖活動を比較して繁殖に利用される環境要因を特定することに加えて、視床下部―下垂体―生殖腺軸の上位に位置する脳部位にターゲットを絞り、モンスーンに関わる魚類の環境センサーの存在と役割の解明を行うこととした。平成28年度には4回の海外調査をベトナム中部で行った。1回目の調査(2016年5月29日~6月2日)では、フエ農林大学の研究協力者と研究打合せを行うと共に複数のフィールド候補海域を調査し、研究に最適な調査地点を決定した。2回目(2016年8月4日~8月9日)、3回目(2016年10月29日~11月2日)、そして4回目(2017年2月2日~5日)においては実際に魚(ゴマアイゴ)を採集し、生殖腺の発達を確認すると共に、生殖腺の一部をフォルマリンに固定し組織学的観察用に持ち帰った。 国内予備実験では、本調査に必要な栄養関連遺伝子(インシュリン様成長因子、レプチン、グレリン)の遺伝子のクローニングを開始し、これらのうちのいくつかにおいてはクローニングを完了するとともにreal-time quantitative PCRによる測定系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フエ農林大学の研究協力者との連絡を密接に行い、相互の信頼関係に基づいたフィールド調査が実施されている。毎月の採集も問題なく行われており、研究に必要な個体数も集まっている。国内予備実験では複数の栄養関連遺伝子のクローニングを開始したが、いくつかの遺伝子に関してはクローニングを終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
フエ農林大学の研究協力者との打合せに基づいて、定期的なフィールド調査を引き続き実施し、一年にわたってのデーターを蓄積する。国内予備実験も引き続き行い、本研究に必要な栄養関連遺伝子のクローニングを終了するようにする。平成29年度後半からは、研究計画に基づいての環境条件再現実験などを行うこととする。
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[Presentation] Food availability as an additional permissive factor for gonadal activity in the tropical goldlined-spinefoot rabbitfish2016
Author(s)
Mahardini, A., Miyagi, H., Nakatani, S., Takeuchi, Y., Ayson, F.G., de Jesus-Ayson, E.G.T. and Takemura, A.
Organizer
Joint events of the 22nd International Congress of Zoology and the 87th meeting of Zoological Society of Japan
Place of Presentation
沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)
Year and Date
2016-11-14 – 2016-11-19
Int'l Joint Research
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