2017 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける個人主義化がストレスとうつ病発症に及ぼす影響の分子疫学研究
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16H05828
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 貴文 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (20184533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 拓郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (50422457)
大橋 順 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80301141)
清水 華 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 上級研究員 (80401032)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 進化医学 / ストレス / インドネシア / 個人主義化 / 精神疾患 / 遺伝環境 / 鬱 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドネシアで新たな公衆衛生的課題となっているストレスやうつ病を進化医学的に分析し、リスク要因としての遺伝的多型と、社会の個人主義化の影響を明らかにする研究である。セロトニン・トランスポーター遺伝子やオピオイド受容体遺伝子等の多型がうつ病やストレスと関係することが知られているが、最近の研究によればこのリスク型はアジアの集団主義的社会に多く、そのような個人が個人主義社会に移住することや、人間関係の急変により疾病を発症する可能性が指摘されている。個人主義化が進むインドネシアにおいて、国立中核病院等を拠点としたケース・コントロール研究と、地域社会での横断的研究を用いた研究デザインにより、この因果関係を検証する画期的研究であると同時に、その成果から健康社会の在り方を提案する社会実装型研究である。 現在、マカッサルのハサヌディン大学と共同研究を推進しているが、他の研究協力校を開発するため、スマトラのメダンを訪問した。また、トラジャ族を調査対象集団としているが、マカッサルの南西に住むカジャン族の集落の現状を視察した。 セロトニントランスポーターをコードするSCL6A4遺伝子のプロモーター領域内に位置する挿入欠失多型(5-HTTLPR)は、うつ病との関連が、μオピオイド受容体をコードするOPRM1 遺伝子エクソン1に位置するアミノ酸置換(rs1799971) は統合失調症との関連が報告されている。インドネシア人患者サンプル46名について、SCL6A4遺伝子の5-HTTLPR 多型をPCRと電気泳動 により、OPRM1 遺伝子のrs1799971をTaqMan法により遺伝子型を決定した。一方、ストレス指標としてテロメア長をPCRで定量した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インドネシアにおける研究試薬の入手に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
試薬の調達を日本で済ませ現地へ赴くのと、インドネシア側研究協力者を招聘し日本で実験をして貰う、2つの方向で進める。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Polymorphisms associated with a tropical climate and root crop diet induce susceptibility to metabolic and cardiovascular diseases in Solomon Islands.2017
Author(s)
Furusawa, T., Naka, I., Yamauchi, T., Natsuhara, K., Eddie, R., Kimura, R., Nakazawa, N., Ishid, T., Ohtsuka, R. and Ohashi, J.
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Journal Title
PLOS ONE
Volume: 12
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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