2019 Fiscal Year Annual Research Report
ネパールにおけるロタウイルスの進化とワクチン導入が及ぼす影響の評価
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16H05831
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
ゴウチャン プニータ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | ロタウイルス / G12P[6]型 / ネパール / ワクチン / 分子疫学 / ウイルス進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ネパールでは2017年に予定されていたロタウイルスワクチンの定期接種への導入が2020年6月に延期されたが、本研究ではワクチン導入がネパールにおけるロタウイルス下痢症の発生状況および流行株変異に与える影響を評価することを目的としており、ワクチン導入前の流行動態のサーベイランスを継続することが必要不可欠であることから、2019年度もこれまでと同様の調査を実施した。2019年に急性下痢症によりカトマンズ市内のカンティ小児病院を受診した5歳未満の下痢症患児から便検体を採取し、ELISA(免疫学的測定法)により126のロタウイルス陽性検体を同定した。これらの検体からロタウイルスゲノムRNAを抽出し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。126検体のうち68検体について、ロタウイルスゲノムに由来する11本のバンドが明瞭に観察され、バンドパターンによる株の分類(electropherotyping)が可能であった。Long RNAパターンをもつ株は10種類、Short RNAパターンをもつ株は1種類の計11種類のパターンに分類された。これらのバンドパターンを過去に同地域で優勢を占めたG12P[6]株の複数のバンドパターンと比較したが、一致するものは見られなかった。本研究のこれまでの結果と合わせると、ネパールでは現行のロタウイルスワクチン株とは異型であり世界的にはまれなG12P[6]株が依然としてロタウイルス流行株の優勢を占めているとともに、それらは同じG12P[6]型をもつものの遺伝学的には異なる複数の株から構成されており、常に優勢株の置き換わりが起きているということが示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)