2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on relations between regional distribution of nasopharyngeal cancer and genomic polymorphism of Epstein-Barr virus for vaccine development
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16H05843
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
吉山 裕規 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (10253147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金廣 優一 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (60609197)
飯笹 久 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (80306662)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | EBV / 上咽頭癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
EBウイルス(EBV)は口腔咽頭上皮細胞へ感染し、口腔癌や上咽頭癌の原因になる。世界の9割以上の人がEBVに感染しているのに比して、これらの癌は東アジアとアフリカ地域に集積している。この地域性を分子メカニズム的に説明することは殆ど行われていない。また、欧米では稀な腫瘍であるためEBウイルス感染の予防ワクチンも開発されていない。そこで、国際共同研究を行うことで、口腔癌や上咽頭癌のビトロにおける疾患モデルの開発を目指した。そのために、口腔扁平上皮細胞に組換えEBVを感染させ、細胞の腫瘍性形質の獲得などを調べた。 我々は、EBVの持続感染細胞を高分化型のHSC1細胞株および低分化型のSCC25細胞株を用いて樹立した。 EBV陽性HSC1細胞およびEBV陽性SCC25細胞におけるウイルスコピー数はそれぞれ2および5であった。 EBV陽性HSC1細胞では、EBVコピー数は2と低いにもかかわらず、自発的なEBVの活性化、即ち溶解感染誘導が起こり、EBVの複製増殖が行われた。一方、EBV陽性SCC25細胞は5つのEBVコピーを有していたが、EBVの活性化は観察されなかった。また、EBV陽性HSC1細胞において非感染HSC1細胞よりも細胞の増殖および遊走が活性化された。 EBV 陽性HSC1細胞をTPA処理すると、ウイルス溶解性BZLF1遺伝子の発現が誘導された。しかし、これらのEBVの活性化や細胞の増殖および遊走の活性化は、EBV 陽性SCC25細胞では観察できなかった。これらの結果から、1) EBV感染は口腔扁平上皮の腫瘍性増殖を起こす可能性が考えられた。2) EBVに感染した口腔扁平上皮細胞から放出された EBVのが唾液へ分泌されてEBVを伝播すると考えられた。3) EBVは口腔扁平上皮細胞に持続的に感染するが、細胞増殖またはウイルスの活性化は細胞分化の程度によって異なると考えられた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(20 results)