2019 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア諸国における肺炎球菌の疫学解析と新規病原性の探索
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16H05847
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川端 重忠 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (50273694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅也 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (00714536)
岡本 成史 金沢大学, 保健学系, 教授 (50311759)
住友 倫子 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (50423421)
中田 匡宣 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (90444497)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺炎球菌 / 口腔レンサ球菌 / ミャンマー / タイ / 分子疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺炎球菌感染症は乳幼児と高齢者の主な死因の一つである.本菌は近縁の口腔レンサ球菌からDNAを取り込み,薬剤耐性や病原性を獲得してきた.本研究では,タイとミャンマーにおいて肺炎球菌ならびに口腔レンサ球菌を分離し,分子疫学的性状と病原性を解析した.タイにおいて,健康な成人の口腔から分離された口腔レンサ球菌440株を収集した.これら440株についてゲノムDNAを抽出し,16Sr RNAとsodA遺伝子配列を解読した.得られた遺伝子配列を用いて分子系統樹を算出し,各菌株の系統関係の解明を行った. また,ミャンマーにおいて,300検体について,血液寒天培地上での溶血能測定やグラム染色,オプトヒン感受性試験などの生化学試験を行い,60株の肺炎球菌候補菌株を収集した.これらの菌株について、Hi-seq 2500システムを用いてゲノム解読を行い、Average Nucleotide Identity解析にて菌種の同定を行った。得られたリードについて、seroBAプログラムおよびARIBAプログラムを用いて、莢膜型、抗菌薬耐性遺伝子の分布、ならびにMLSTを決定した。 Average Nucleotide Identity解析の結果、60株中58株が肺炎球菌で、2株がStreptococcus mitisであることが示唆された。莢膜型は19F型がもっとも多く12株、ついで6E型が7株存在し、他に15種類の莢膜型が散発的に認められた。また、5株がuntypableに分類された。MLST解析の結果、45株が28種類の型に分類され、13株が新規の型に分類された。以上の結果から、ミャンマー国において、肺炎球菌の耐性化が進んでいるとともに、遺伝的背景が多様化していることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(37 results)