2018 Fiscal Year Annual Research Report
計測精度とユーザビリティを両立する非接触生体センサーシステムの研究
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16H05868
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和泉 慎太郎 大阪大学, 産業科学研究所, 特任准教授(常勤) (60621646)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウェアラブル / 生体信号処理 / 生体計測 / ヒューマンインターフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2つの非接触心拍計測技術(容量結合型心電計とマイクロ波ドップラー心拍計)を組み込んだ生体計測システムの開発と、計測精度の向上のためのアルゴリズム開発を行った。 提案システムは、心拍センサと加速度等複数のセンサを組み合わせ、個人ごとの特徴をフィードバックすることで、計測精度の向上、及びノイズの低減を実現することを目的としている。非接触計測時の個人差を明らかにするために被験者数を増やし、複数の測定環境下で性能評価を進めている。 容量結合型心電計については単電極式と2電極式での回路構成を絞り込み、ノイズを十分に抑制して実現する見通しを得た。消費電力面でも、低消費電力な増幅器を用いた回路構成で従来と同等の性能を実現できることを確認した。マイクロ波ドップラー心拍計については、小型のアンテナを用いた評価を行い、室内環境化であれば背面からの計測でも心拍数が計測可能であることを示した。距離画像センサと組み合わせたノイズ削減手法にも取り組み、体動ノイズモデルを構築するためのアルゴリズムを検討している。 さらに、システムの低消費電力化のために、信号処理アルゴリズムの専用ハードウェア化を行った。65nm CMOSプロセスで試作を行い、現在評価を進めている段階にある。 アルゴリズムについては、低サンプリングレートでの計測に特化したサンプリング誤差補正アルゴリズムを開発し、平均心拍数ではなく瞬時心拍を低アクティブ率で抽出できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、提案アルゴリズムのハードウェア化を行い、1回めのLSI試作を完了した。また、試作システムを用いたフィールドテストも計画通り実施できた。個人最適化手法に関しては当初計画では平成30年度に完了予定であったが、より多くの被験者と評価環境での計測を行うために平成31年度も引き続き開発を続ける予定である。センシング技術開発に関しても複数の新たな改良方法を提案しており、当初計画よりも性能向上を実現できる見通しを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は本年度は、2つの非接触心拍計測技術(容量結合型心電計とマイクロ波ドップラー心拍計)を組み込んだ生体計測システムの改良と、フィールドテストを継続して実施する。 平均心拍数ではなく瞬時心拍を計測するための改良アルゴリズム、複数センサ(マルチモーダル)によるノイズ除去アルゴリズムを実装し、また、前年度に試作した信号処理回路及びサーバー連携機能を集積する。回路の試作は前年度同様相乗りチップ試作を利用し低コストに実現する。フィールドテストは室内環境及び走行中の車両内で実施する予定であり、被験者数を増やして実施する。
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