2016 Fiscal Year Annual Research Report
Simulating lifetime of embankments : from construction process to deformation and failure due to heavy rain / earthquake
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16H06099
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
菊本 統 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (90508342)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 不飽和土 / 土構造物 / 盛土 / 構成則 / 多相連成解析 / 非排気非排水繰返しせん断 / ボイルの法則 / 液状化 |
Outline of Annual Research Achievements |
盛土をはじめとする土構造物の力学的安定性の本質的な議論には、締固め築造後を初期状態として解く既往の解析手法では不十分であり、締固めによる築造過程から降雨と地震による変形・破壊まで、土構造物の一生を一貫してシミュレートできる不飽和地盤の解析技術が不可欠である。このような観点で本研究では、降雨や地震といった外力条件と築造時の締固め品質が盛土の力学的安定性に及ぼす影響を数値計算により明らかにすることを試みる。 初年度は、不飽和土のモデルの地震時挙動解析での精度向上を目指して、非排気非排水繰返しせん断試験のシミュレーションを行い、既存の要素試験と比較することで開発したモデルの妥当性を検証した。また、提案モデルは不飽和土のサイクリックモビリティをよく再現することを示すとともに、非排気非排水条件では不飽和土がボイルの法則に従う間隙空気の圧縮に応じて体積変化する現象を再現した。なお、解析に用いた不飽和土のモデルは、乾湿繰返し履歴や間隙比(密度)の影響を考慮した発展型水分特性曲線モデルと不飽和土の限界状態モデルを組み合わせたものであり、構成モデルはBishopの有効応力および比体積軸方向にアダプティブに移動する状態境界面を導入している。 続いて、検証・改良した不飽和土のモデルをベースとして、築造過程から降雨、地震、あるいは両現象の連続発生まで、盛土の力学的安定性を統合的に解析する新しい地盤解析技術の確立を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討はおおむね順調に進展したが、模型実験の装置の設計が遅れ、2年目にずれ込んだ。そのため、研究費を2年目に繰り越して装置を開発することになった。その後は地下水面を自由に制御できる不飽和地盤のモデル実験装置を開発し、実験の準備は順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は不飽和土の非排気非排水繰返しせん断シミュレーションを通して不飽和土の液状化について検討を行った。2年目は主に豪雨時の変形・破壊挙動の再現を目的として等方・異方応力条件下での浸水・変形・破壊現象のシミュレーションを試みる予定であり、3年目以降は締固め品質と浸水変形・破壊挙動および地震時液状化挙動の関連性について検討する計画である。
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Research Products
(6 results)